イオンリテール株式会社は福島産水産物の取り扱いを拡大する。今年6月に首都圏のうち限定5店舗に設置した「福島鮮魚便」コーナーが好評なのを受け、19日から宮城県の店舗も加えて計8店舗に広げた。さらなる消費の拡大を進める。
定置網で水揚げする魚の選別、販売が劇的に変わり、省力化や付加価値アップが一挙に進展する可能性がある。青森県八戸市で、センシング技術やICT(情報通信技術)を活用した魚の画像解析などによる自動選別技術の開発が始まった。選別時に得られる魚種やサイズ、尾数などの情報を販売現場に瞬時に送ることも目指される。
田老町漁協は2月、これまで漁業者に任せられていた津波発生時の漁船避難方法を統一し、ルールとしてまとめた。県内の漁協では初。同漁協でメインとなる船外機船ではほとんどの場合、沖に避難する「沖出し」は行わない。動力船(3~19トン)も含め、操業中の漁船に対し、いかに津波の発生を知らせるかが課題だ。
宮城県漁協気仙沼地区支所のカキが、シーズン序盤から大粒で身入りが良いと評判だ。一昨年採苗の2年子をむき、主に東京市場に加熱用として出荷。昨シーズンの平均単価は2000円を超え、県内共販と比べ6割近く高い。階上地区の生産者は種ガキの個数調整や成育に合わせた漁場の移動、温湯処理など手間をかけ丁寧に生産している。
宮城県のカキむき身出荷が9月29日、始まった。10月1日まで3日間の合計は40.4トン、10キロ平均単価3万1193円。昨年同期比はそれぞれ81%、138%となる。県漁協は今季、昨年並みの1800トンの出荷を見込む。石巻エリアの県漁協3支所がASC国際認証を取得し、価格や需要などの動向に注目が集まる。
岩手県の秋サケは北から水揚げが上向いている。台風24号が過ぎた2日、久慈市場では今季初めて1万尾を超え、宮古市場では3000尾に近づいた。平均体重が2.6キロほどと例年より小型だが、徐々にサイズアップしているという。単価は昨年を2割ほど下回るものの、高水準を維持。
宮城県北部海域の秋サケ刺網漁が9月25日、始まった。南三陸町市場では初日に約9トンが水揚げされ、昨年を大きく上回る好調な滑り出しを見せた。一方でメスの割合が2割と非常に低く、今後の比率に注目が集まる。
宮城県でカキの出荷シーズンに先駆け9月25日、県漁協石巻地区、石巻市東部、石巻湾の3支所が石巻グランドホテル(石巻市)でASC国際認証取得記念式典を開催した。式典には130人ほどが出席。続く祝賀会で取得を喜んだ。認証されたのは4月で、県漁協によると連続海域にまたがる漁場では国内初。
岩手県南部でホタテの採苗分散が進み、稚貝の不足する浜が多くなる。採苗器への付着が少なく、稚貝の成長を待ったり、目合いの小さなふるいで選別し確保に懸命だ。コツブムシ(ウミセミ)の食害も示唆される。分散作業がほぼ終わった唐丹町漁協では「予定の半分」。南部一帯で余剰は見込みづらく、補充は難しくなる。
今年5月に初めて試みた野辺地町漁協のマナマコ人工種苗生産は、計画より少ない28万3千個体を放流した。飼育幼生の最終的な生残率は12.6%。配水管交換のミスやシケに伴う放流日の延期が大きな減耗につながった。同漁協では来年以降も続ける予定だが「放流時期の再検討が必要」と話している。