スルメイカの漁獲減など漁業低迷を打開しようと、北海道でトラウトサーモン(ニジマス)の養殖が拡大している。2023年は新たに釧路や根室で海面養殖に挑戦するなど「ご当地サーモン」ブームが到来。5月以降、先進地である八雲町熊石など檜山管内をはじめ、渡島や後志で水揚げが始まった。種苗の地元生産や大手水産会社と連携した販路拡大など将来的な自立化に向けた挑戦も各地で活発化している。
製網メーカーの日東製網株式会社(東京都、小林宏明社長)、函館市の有限会社ヤマヤマコ小橋水産(小橋紗江子社長)、有限会社小橋産業(小橋年久社長)は連携し、函館市を中心に道南地域で排出されるイカの加工残さを、養殖用飼料原料としてアップサイクルに取り組んでいる。函館・道南地域で拡大傾向にあるサーモン養殖の餌にも利用が計画され、地域の経済基盤を支える名産を生み出す水産資源を最大限活用し、新たな特産を育む循環型産業の形成に一翼を担う。
道東沖の巻網漁が20日に始まり、釧路港にマイワシを初水揚げした。昨年初日に比べて若干型が大きく、価格は全量ミール向けでキロ43円と高く付いた。今後徐々に操業カ統数が増え漁は本格化していく。
株式会社帝国データバンク釧路支店が集計した2022年の北海道内水産加工業売上高ランキングによると、函館市の三印三浦水産株式会社が3年ぶりに首位の座に返り咲いた。上位100社の売上高合計はホタテの輸出、いくらの市況などが好調で2年連続の増加となり、2004年の集計開始以来、初めて5千億円台を突破した。道内に本社を置く水産食料品製造企業の2022年1~12月期決算を集計。上位100社の売上高合計は5085億8900万円で、前年比17.6%(759億6700万円)増加した。
マルスイホールディングスグループの中核会社である丸水札幌中央水産株式会社の2023年3月期決算は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、秋サケ増産やホタテの価格上昇などで増収となり、7期連続で黒字を確保した。23年3月期から「収益認識に関する会計基準」を適用し、単純比較できないが売上高は前期比0.2%増の512億7497万円。営業部門では毛ガニの取扱数量増やアルゼンチン赤エビの秋口の搬入増に伴う相場下落などが響き、売上総利益率は0.5ポイント低下の4.3%だった。エネルギーコスト上昇などで販管費が膨れ、営業利益は前期比49%減の1億1375万円。
低調だった砂原漁協のタコ箱が6月に入り上向いてきた。多い着業者で日量400キロ程度と徐々に増えている。一方、キロ千円台中盤まで高騰していた浜値は弱含みの傾向。6月半ばで900円台と値を下げているが、昨年と同水準で例年以上の高値に着業者は今後の増産を期待している。
釧路管内のさお前コンブ漁は、5月25日の釧路市東部漁協を皮切りに各浜順次解禁となって以降気象と海況条件に恵まれず沖止めが続いていたが、6月20日に全5単協が待望の初水揚げを迎えた。いずれも21、22日と続けて出漁。厚岸・浜中の両漁協は計画日数の3日間を消化し終漁した。
日本海北部の留萌管内でラーバの付着量が例年より少ない。仮分散の開始が約1カ月後に迫る中、十分な粒数を確保できるのか、養殖漁業者は不安を募らせている。留萌地区水産技術普及指導所によると、苫前地区の試験採苗器で5月2日~6月14日の累積数量は1袋当たり約600個と千個に及ばない。同留萌南部支所による増毛地区の試験採苗器でも4月中旬以降、6~7回交換して得られた6月中旬時点の累積が750個と苦戦している。両機関とも「今年の潮流は例年より速く、水温は1~2度高い」と海況の変化を指摘している。
道漁協系統・関係団体は15、16の両日、札幌市の第2水産ビルで通常総会を開き、2022年度事業・決算報告と23年度事業計画を承認した。全道組合長会議では「環境の変化に打ち克つ持続的な北海道漁業の確立」をスローガンに、最重要課題として福島第一原発ALPS処理水の海洋放出に伴う対策の特別決議と、北海道漁業の実態に即した資源管理・資源増大対策、漁業経営基盤の強化対策、次世代に向けた漁場環境の保全対策の通常決議の4項目を採択した。早期実現に向け、16日の道・道議会を皮切りに要請活動を展開していく。
落石漁協の前浜さお前(ナガコンブ)は、不漁だった昨年を上回る繁茂状況。主漁場の「昆布瀬」は近年着生状況が芳しくなく、わずかな操業日数で終漁していただけに、着業者は「今年は少しでも水揚げを伸ばせられたら」と増産に向け力を込め沖に出ている。