道東サンマ漁の水揚げ不振で、札幌市中央卸売市場の入荷量も低調に推移している。主漁場が依然遠方の公海で操業日数がかかり、カネシメ髙橋水産株式会社、マルスイ札幌中央水産株式会社の両荷受は「日々の入荷量が不安定」と指摘。市況も高値傾向が続き「荷動きは鈍い」という。
噴火湾のエビかご秋漁が始まった。落部、森、砂原の3単協とも序盤のボタンエビは1隻100キロ以上と順調なスタートを切ったが、中旬以降の水揚げは2桁に急減、先行き不安な展開をみせている。浜値はメスがキロ4000円と堅調だ。
マリンフーズ株式会社はロシア産原料の水産品の取り扱いを強化する。このほど、露・ウラジオストクに駐在員を常駐させ、タイムリーな買い付けを実現。それを距離的に近いグループ会社の釧路丸水㈱に持ち込んで最終製品化するルートを確立させた。今シーズンはロシア産マスいくらの数量を伸ばして日本市場での定着を図る。
北海道の秋サケ定置漁は全網が操業を開始し、今週から盛漁期に向かって佳境に入る。増産予想下、序盤は特に太平洋が振るわず、低水準の滑り出し。一昨年、昨年の高値による荷動きの停滞などで親、卵とも製品在庫を抱え、浜値は昨年より下方修正で発進したものの、じり高の展開。今季は消流回復への適正価格の形成が最大の焦点。サンマなど他魚種を併せて水揚げ動向にも商戦の行方がかかっている。
青森市の金八神漁網(株)が15日、創業から80年を迎えた。陸奥湾ホタテの今日の隆盛を、養殖かごなどの資材面から支え続けて発展。近年はベトナム工場を生産拠点に実績を上げるとともに、長年の経験に基づく改良、開発とアイデアにより、海域に適合した資材を北海道や岩手・宮城両県、瀬戸内海、九州などにも届け浸透を図る。高い技術力はタコ、カニなどの魚介類捕獲かごやカキかごにも及び、わが国屈指の水産用かごメーカーに躍進。80年をステップに、漁業と養殖業を新たな展開に導くような資材の開発、供給が期待される。
札幌市の漬け魚・味付切り身メーカー・(株)丸加水産(須田公隆社長、電話011・766・1131)は今年からみそ漬けの「本漬け」を打ち出し、特に本州市場の販路拡大に乗り出している。インストアパック用のバルク、トレーパックなどの先行販売で評価を得て、新たに板付き包装パックもラインアップ。商品アイテムを充実させ、老舗漬け魚業者の牙城に挑んでいる。
いぶり噴火湾漁協のウニたもが8月末で終漁した。水揚げペースは順調に推移し前年比8割増の好漁。地区間で身入りに差も出たが、殻付き、むき身とも好値となり、金額は5割増に伸長した。
東しゃこたん漁協の大定置で唯一ブリを主体に狙う ( 有)丸榮水産(竹谷得郎社長)は9月漁から新造船(第十八丸榮丸=19トン)をデビューさせた。船上活じめ機などを導入し、ブリの付加価値向上に取り組んでいる。国の漁業構造改革総合対策事業(もうかる漁業)を活用。新造船の魚槽はFRP処理を施し、保冷性を確保。鮮度保持に効果を発揮している。
オホーツク海の北部・南部合わせた漁場造成を含む8月末水揚量は20万1440トンとなった。前年同期比15%増、計画達成率は68%。アソートは4S、5S中心の浜も依然見られるが全般に2S、3Sが増え、直近の浜値はキロ200円台前半~100円台中盤が主体。玉冷製品の3S相場も下方修正され、内販は大型サイズへの転換が消費拡大の鍵を握る。
日高管内産ミツイシコンブの値決めは交渉開始翌日の11日、特上浜1等が10キロ3万9800円など全等級上方修正で妥結した。昨年初回と比べ1、2等は10%前後、3等は15%前後の値上げ。4、5等と加工用は20%以上の上げ幅となった。上場数量は24%減の147.5トンだった。