ひやま漁協乙部支所で桧山地区漁青連会長(道漁青連理事)を務める工藤優介さんは、乙部漁港近くに漁師直営の飲食店「津花食堂」(乙部町元町)を構え、前浜の魚を中心に地産地消にこだわった「漁師めし」を提供している。第六十三泰安丸でタコいさり、一本釣り、磯回りなどに従事する傍ら、食堂を通じて地元の魅力を発信。浜の活気につなげようと奮闘している。
「第22回シーフードショー大阪」(大日本水産会主催)が19~20日、大阪市住之江区のATCホールで開催される。出展規模は220社(307小間)で、約1万人の来場を見込んでいる。西日本最大級の水産関連イベントとして注目されており、新たな販路の獲得へ熱意あふれる商談に期待が高まる。全国40近くの都道府県から企業・団体が出展し、「EXPO大阪2025」でにぎわう関西・大阪に向けて各地の水産物をPRする。大阪会場では過去最多となる5カ国(韓国、中国、インドネシア、チリ、パプアニューギニア)の海外からの出展も見どころの一つとなる。
道内メーカーが開発した加工食品の品評会「第32回北海道加工食品コンクール」(一般社団法人北海道食品産業協議会主催)で、水産品では鹿部町・有限会社一印高田水産の「たらすみ」が札幌市長賞、釧路市・株式会社マルハニチロ北日本の「北乃創彩 北海道産ぶりラー油」が奨励賞にそれぞれ選ばれた。10日に札幌市の札幌パークホテルで表彰式が行われた。
株式会社極洋は2025年春の新商品として、市販用商品4品、業務用商品31品の合計35品を3月1日から順次発売する。家庭だけでなく、人手不足が深刻化するプロの現場向けに、調理の負担感を低減させる水産素材を意識し、「手軽に満足!魚をもっと好きになる」をテーマに商品を開発した。製法を変えるなどして磨きをかけ、さらなるおいしさを追求している。
湧別漁協直売店「オホーツク湧鮮館」は、昨年からホタテ玉冷やいくら商品の少量タイプ販売を開始し、消費者の高い評価を獲得している。ホタテ、カキを使った新商品「炊き込みごはんの素」も好評で、販売数量を増産する計画。新たな仕掛けに確かな手応えをつかんでいる。ホタテ玉冷は、300グラムのチャック付きスタンドパックを導入した。保存時の使いやすさを重視した開閉自由なチャック付き少量タイプ。リパックせず売り場に並べられる量販店はもとより、個人消費者からも好評を得ている。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は昨年(2024年)も道内の「子ども食堂」と連携した道産水産物の魚食普及推進事業を実施した。4年目の今回は、ホタテ加工品を使った親子で作れる料理レシピや水産加工品にスポットを当てた食育用パンフレットを172カ所に配布。十勝管内の3カ所ではレシピを活用した料理の試作・提供などを行った結果、調理ボランティアから「手間がかからず作りやすく、常用メニューに加えることができる」などと好評を得ている。
政府観光局が昨年12月18日に発表した2024年の訪日外国人客数は1~11月の推計で3337万9900人となり、通年で過去最高だった2019年(3188万2千人)を超えた。その訪日客にとって東京都の台所「築地」は魚食の聖地に定着している。築地場外市場を訪れる多くの外国人は日本食の文化、とりわけ魚料理への関心が高く、近年は魚食のリテラシーが上向き、生食への抵抗が薄らぐなどの変化も起きている。
道産食品セレクトショップ「北海道四季マルシェ」やECサイトを展開するJR北海道フレッシュキヨスク株式会社(札幌市、電話011・271・3101)は、ブライべートブランド「DO3TABLE」(ドーサンテーブル)で各地の秀逸品を発掘、魅力を発信している。道産素材・道内加工を基本に独自の視点と実食で選んだ道内食品メーカーの商品の価値を、食シーンの明確化や容量など規格の磨き上げで高める。併せて共同開発商品も打ち出し、販売拡大の一翼を担っていく。
後志管内の古平町は道の駅ふるびら「たらこミュージアム」(仮称)を今春4月ごろに開業する。地域産業を下支えする水産加工品のたらこをトリガーに地域活性化を推進。地域観光の拠点としてミュージアム機能を有し、若年層をメインターゲットに歴史あるたらこの町の魅力を新たな切り口で打ち出した温故知新の取り組みで新境地を切り開いていく。
カニを主力に海産物の卸販売を手掛ける札幌市の株式会社マルサン三上商店(三上健悦社長、電話011・623・5688)は、札幌市中央卸売市場外(中央区北12条西20丁目1番3号)に本社・店舗を新築、11月8日から営業を開始した。活カニの蓄養能力を増強したほか、小売り・飲食店のスペースを拡充。海産物販売店や飲食店など卸先への安定供給に一層取り組むとともに、通販事業、観光客や札幌市民など一般消費者への魚食拡大に臨んでいく。