水産庁のアンケート調査によると、東日本大震災で被災した水産加工業者のうち「売り上げが震災前の8割以上に回復した」と答えた青森、岩手、宮城、福島、茨城5県の事業者は半数の50%。前年度より8ポイント増えたものの、依然として低い水準にとどまっていることが分かった。
沖縄県国頭村の国頭漁協は、商社や輸入業者、製氷会社など異業種連携による、定置網で水揚げした地場魚のシンガポールへの輸出に力を入れている。船上処理にシャーベットアイス(設備は高砂熱学工業(株)製)による急速冷却を利用した鮮魚出荷で、鮮度を維持したままの輸送が可能となった。それまで地元の沖縄本島でも評価が認められなかった魚の付加価値向上に成功。国頭産の海外展開拡大を目指している。
道総研釧路水試は今年度から棒受網漁やたも採り漁で漁獲されるマイワシの消流拡大に向け、漁獲から消費地までの高鮮度保持技術の開発に取り組む。鮮度保持のアイテムの一つにシャーベット氷の活用も検証。釧路市の水産加工機械メーカー・(株)ニッコーが開発した循環式シルクアイスシステム「海氷」を新規導入し、研究体制を整えた。
改正フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)が4月1日に施行され、業務用のエアコン・冷凍冷蔵機器(第一種特定製品)の廃棄時のフロン回収対策が強化された。違反に対する直罰化やフロンの回収を確認する仕組みの導入などが柱。
宮城県石巻市雄勝町水浜の(株)海遊(伊藤浩光社長、電話0225・25・6851)は、地域福祉の向上に貢献しようと障害者の雇用を始めた。人手不足に悩む現場と、働く意欲のある障害者を結び付ける県の「みやぎの水福連携推進事業」を活用。伊藤社長は「この地域は働き口が少なく、障害者の就労は難しい。最初は地域貢献への思いのみだったが、まじめで仕事もしっかりできる。間違いなく貴重な戦力」と信頼を寄せる。
北見市常呂町の(株)常呂町産業振興公社(社長・髙桑康文常呂漁協組合長)が建設を進めてきたホタテ貝殻粒状化施設がこのほど完成した。ホタテ貝殻で製造する土壌改良材の粒状化事業は国内初。従来の粉末を粒状に加工することで農家経営の生産コスト削減や所得向上が期待できる。9月をめどに販売を開始、来年から本格的な生産体制に入る予定だ。
道南の各浜では、毎年春に促成の若葉を利用して早煮昆布などを生産している。えさん漁協所属「(株)美千丸漁業」(尻岸内地区、木津谷正揮代表)は、ボイル後に細切りに裁断、板状に乾燥させた刻み昆布をつくる。洗浄などで使う活水器や異物混入を防ぐ金属探知機を備えるほか、板状に成形する専用枠をステンレス製に切り替えるなど「食の安全安心」を意識、衛生面に配慮した製品作りを徹底する。1シーズンの製造枚数は近年15~16万枚と当初に比べて大幅に伸長。主力に据えるイカ釣りが資源低迷で苦戦を強いられる中、漁業経営の「もう一つの柱に」と力を注ぐ。
苫小牧市の基礎化学品製造・北海道曹達(株)(神田知幸社長)は、加工副産物のウニ殻を活用した水槽用の生物ろ過材を開発、3月中旬に発売した。pHの低下抑制、換水回数の削減など管理の手間・コストを軽減できるのが特長。水産系廃棄物の削減・再資源化に貢献、加工業者が抱える処分費用の負担など悩み解消にもつながり、全国の養殖業者や水族館などに売り込んでいく。
出荷最盛期を迎えた「三陸わかめ」の生産現場で活躍している水産加工機械がある。(株)エフエムピー(静岡市、髙橋博社長)が製造・販売する「ワカメ全自動ボイル冷却装置」だ。全自動による省力・省人化の効果は大きく、2人体制でもボイル加工の処理能力は1時間1.5~2トン。「一度使ったら手放せない」「しっかり炊かれ、仕上がりのむらもない」などとユーザーの評価は高い。壊れにくい頑丈さも魅力で、人手不足や高齢化が進む浜を支えている。
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、輸入魚にも影響が出始めている。特に北米や欧州では深刻な状況が続いており、今のところ終息の見込みが立たず、通常の運用に戻るのに年内中は厳しい見方が強くなっている。国内の業界関係者の中には、輸入依存度の高い品目は短期的には「国産魚回帰」「地産地消」となるとの見通しも現れている。