東京都・豊洲市場でホッケのとばが再入荷した。取り扱う干物・珍味の卸業者・髙須商店の髙須孝輔社長は「築地市場時代からリピート注文の多い商材。メーカーが減ってしばらく入荷していなかったが、9月28日に菅原商店(神恵内村)の『波ほっけ』を入荷した」と供給再開を喜ぶ。定番のサケとばは近年、秋サケの不漁、価格高騰が影響し、利益低下に苦慮。一方、ホッケとばは「珍しさに引かれて購入し、秋サケとは違うおいしさからリピート注文を得ている」と説明。「特にあぶった皮がうまい。適度に加熱すると、パリパリの食感が素晴らしい」と話す。
天然ブリの全国有数産地となった北海道。2023年は1万トンを超え、農水省集計の海面漁業生産量(養殖業を除く)で長崎県を抑えて全国トップに返り咲いた。今年も春定置時期から乗網し、秋定置の水揚げが注目される。地場消費は依然途上だが、加工品開発も進展。多獲地域では船上活じめなどのブランド品を先導役に需要拡大、魚価底上げの取り組みを続けている。
札幌市中央卸売市場の水産荷受・カネシメ髙橋水産株式会社を中核とするカネシメホールディングスグループは今年創業100周年を迎えた記念事業で、江別市の道立自然公園野幌森林公園内の国有林に約1ヘクタールの「カネシメ 海につながる森」を造成、22日に植樹会を行った。取り扱う水産資源を育む豊かな海づくりにつながることを願って、年内にカラマツ1500本を植樹。札幌市森林組合の協力を得て下草刈りや枝払いなどの管理を続けて豊かな森林に育てていく。
札幌市中央卸売市場の水産荷受マルスイ札幌中央水産株式会社などを傘下に持つマルスイホールディングス株式会社(HD、武藤修社長)と、旭川市の総合荷受・株式会社キョクイチなどを傘下に持つ株式会社キョクイチホールディングス(HD、角谷靖社長)は25日、10月中に業務提携を結ぶことを発表した。水産資源の減少、市場経由率の低下、人口減による国内マーケットの縮小など取り巻く環境が厳しくなる中、共同仕入れ、共同輸送など多分野で協業・協力体制の構築を図り、互いの収益力強化につなげていく。
東京都・豊洲市場の利尻島産活ヒラメの消流は荷動きが活発化する需要期に入る。肉厚になり、歩留まりは向上。相場は落ち着いており、脂乗りに期待が高まっている。8月末ごろから入荷を開始。中心サイズは1~2キロほど。卸業者は「腹側が真っ白な天然物で顧客に勧めやすい」と水槽から出して説明。「先行して仕入れている同業者からは『エンガワの脂の乗りはまだ先になる』と聞いている。これから北上したイワシをたくさん捕食するようになれば脂身も増えてくる」と期待する。
株式会社ライフコーポレーションは14~16日、首都圏のスーパーマーケット「ライフ」店舗で道産品を販促するフェア「北海道うまいもの巡り」を実施した。銘菓やご当地品を取りそろえたほか、水産や青果、精肉、総菜売り場、ベーカリーなどでもそれぞれ道産品を用意し、食品フロアは文字通り“北海道一色”となる3日間を演出した。
白老町の地域商社「BLUE SALMОN」(貳又(ふたまた)聖規代表、電話090・1648・4641)は、「地元のお魚活用プロジェクト」と題し、2019年6月の設立当初から前浜産水産物の付加価値化に注力。主力魚種・スケソでは身を活用した加工品で「おつまみシリーズ」を展開している。スケソの加工品は21年に「ディルマリネ」を皮切りに「バジル白ワイン風味」「白銀の塩辛」「チャンジャ風」の4種を順次発売。12月から2月ごろの前浜産スケソを白老町の加工業者・有限会社小田切水産でフィレーにし、開発段階から連携してきた函館市の生鮮珍味メーカー・竹田食品に味付けなど製造を依頼している。
東京都・豊洲市場のサンマ消流は商戦スタート時の勢いが失速してきている。組成の小型化で商品価値が低下。仲卸業者は「9月中旬から2キロ箱18尾などが増え、14尾より大きいものは入ってこない」と、販売戦略を再検討している。9日時点の入荷はやや大型に分類される2キロ箱15尾の卸値がキロ3千円。同商材を仕入れている仲卸は「当初の2800~2700円のものが上昇した。15尾は当社では飲食店向けだが、量販店向けの4キロ箱や2キロ箱16~18尾も相場が上がっている。今期は例年と違って、最初はまとまった数量で入荷して安かったが、最近は上げ相場」と話す。
札幌市中央卸売市場の丸水札幌中央水産株式会社とカネシメ髙橋水産株式会社の両荷受は10日、同市場特設会場で水産合同展示商談会を開いた。荷主のほか、取引メーカーなども多数出展。バイヤーらに主力商材や新製品などを売り込むとともに、新たな商談機会を創出した。合同開催は昨年に続いて2回目。会場には約180のブースが並び、干物や魚卵といった各種加工品のほか、秋冬・年末商材、ギフト向け商品などを出品。担当者がパンフレットや試食を手渡し特長をPRした。
東日本大震災で被災した水産加工業の販路回復を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会2024」が3、4の両日、仙台市の仙台国際センター展示棟で開かれた。青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉6県の約130社が出展。なじみの前浜ものや水揚げが急増している南方系の魚などを使った加工品を流通や量販、外食産業のバイヤーらに売り込んだ。