日本昆布協会(大西智明会長)は23日、大阪市内のホテル阪急インターナショナルで臨時総会・秋の例会を開き、本年度の輸入昆布、食育教室やCM制作といった上半期の事業を報告した。
利尻漁協沓形地区でコンブ養殖中心に営む中辻清貴さんは今年8月、大型の乾燥施設2棟を新設した。来年から本格稼働、雨天時の作業効率化を図る。天候に左右されず稼働できるため陸回りの確保にもつながると考える。主力で稼働する乾燥施設(写真) は55坪。乾燥機5台、換気扇4機を完備。扇風機も20台以上設置、風を循環し台車に載せたコンブを乾かす。併設するもう1棟は160坪。広々とした空間を最大限利用し将来的に乾燥施設として稼働する構想だが、当面は仕上がったコンブを取り込んだり、乾燥前のコンブの水切りや台車に並べるスペースとして活用する。
利尻漁協沓形地区の中辻清貴さんは、出身地の兵庫県から島に移住して漁業を学び、現在はコンブ養殖中心に営む。同じように、中辻さんの下ではプロボクサーや飲食、運送業から転じた島外出身者が製品作りなどに従事、重労働のコンブ生産を支えている。
利尻漁協沓形昆布養殖部会は、9月に秋田県で開かれた「第39回全国豊かな海づくり大会(同推進委員会など主催)の栽培漁業部門で大会会長賞を受賞。式典に出席した新濱秀一部会長は「大先輩の方々が研究、試行錯誤して確立した養殖技術。それを守り、次世代を担う若者につないでいきたい」と話す。
道漁連は、8月末時点での本年度道産コンブ生産見込みを1万2710トンとした。6月末に示したものから1000トン下方修正。2017年度実績の1万3260トンを下回り過去最低となる見通し。
昨年度実績比で16%減、過去10年平均(2009~18年度)と比べると23%下回る。
岩手県産天然干しコンブの今季生産が100トンを超えそうだ。過去3カ年は著しい繁茂不足で25~30トン程度の大減産が続いたが、今季は生産量の多い宮古地区の重茂、田老町両漁協の開口が好調。「まだ採れる。近年にないくらいいい」との声が聞かれる。高値が予想されることもあり、生産者の表情は明るい。
【シドニー=鈴木亮平】(株)丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)は10月、オーストラリアへ道産昆布の輸出を開始する。道立工業技術センター(函館市)と共同開発した新技術によって、同国が2010年に定めた厳しいヨウ素規制値をクリアした乾燥昆布で、日本産昆布の本格流通は約10年ぶり。9月中旬にシドニーで開かれた食品輸出商談会に出展、市場性を探るとともにうま味や活用法を紹介し手応えをつかんだ。道産昆布の新市場開拓・普及に向けて新たな一歩を踏み出す。
道漁連と道こんぶ消費拡大協議会は24日、札幌市内の保育園「ちあふる・あつべつ」で昆布食育授業を開いた。NPO法人共育フォーラムの太田稔代表理事が講師を担当、コンブ採取を疑似体験させたり漁具(カギ)の模型を使って実際の長さを教えるなど園児を楽しませながら授業を展開した。
岩手県産養殖干しコンブの第2回入札が6日、宮古市の県漁連北部支所で開催された。上場の多い重茂産棒の1~4等は2万2999円など2万3千円に迫り、初入札を約2割上回って高騰に拍車が掛かった。北海道の記録的な減産の気配を背景に、需要の高まりをうかがわせる。
日高管内産ミツイシコンブの値決めは交渉開始翌日の11日、特上浜1等が10キロ3万9800円など全等級上方修正で妥結した。昨年初回と比べ1、2等は10%前後、3等は15%前後の値上げ。4、5等と加工用は20%以上の上げ幅となった。上場数量は24%減の147.5トンだった。