いぶり噴火湾漁協は24日、養殖ホタテ2年貝の9月下期値決めを行った。伊達地区の「早出し」はキロ200円で妥結。昨年初回と同額でスタートした。
伊達地区のみで出荷量は6~7トン。歩留まりは生玉が15・7%、ボイル柱が14.1%。昨季より若干高い数値。アソートは生玉が5S・6S・4S、ボイルが5S・6S中心。
同地区の早出しは毎年、生育状態が良く浜高傾向にあるが、今季は春先以降のへい死が少なく、各地区とも増産が予想される中での高値スタートとなった。
いぶり噴火湾漁協のホタテ養殖は、浮き玉が足りず新規に購入する漁家が続出している。来季出荷予定の加工貝はへい死が少なく成育が順調な上、ザラボヤやイガイの付着が多いため。ことしは沖洗いに時間を割く漁家も増えた。一方、来春に耳づりする稚貝の本分散作業は、伊達地区を皮切りに始まっている。
オホーツク海けた引漁の8月下期値決めは、各漁協とも大半が150円前後。前回比で若干下降したが依然、高水準を維持している。原貝の歩留まりはピークが過ぎ、前回より若干下降ぎみ。11%前後が中心で、枝幸の13.1%が最高。
株式会社大成水産(札幌市、國分一夫社長、電話011・717・5522)は、ことし7月で創業25周年を迎えた。干貝柱を中心とするホタテ加工製品をはじめ干ナマコ、サケとば、するめといった乾物製品や魚卵、加工原料魚、コンブ製品まで幅広い水産製品を取り扱う卸売業者として発展し続けている。
順調に操業している猿払村漁協のけた引漁は、8月末累計数量が4万900トンとなり、今季計画の87%に達した。
操業海区は輪採2区。今季計画量は漁場造成を含め4万7000トン。船団34隻が8月末で110日間操業し、累計数量を4万トン台に乗せた。
頓別漁協は本年度から、札幌市の光塩学園調理製菓専門学校で年2回の出張講座を行う。主力のホタテとサケの漁獲方法や生態を講義するほか、講座前後には調理実習用の食材として無償提供。およそ10年間継続し、産地食材の情報発信とブランドの構築を目指す。
枝幸漁協のけた引漁は順調に操業を重ね、今季計画量の7割に到達した。8月の盆明け以降は、徐々に獲りにくくなっており、9月からは作業時間や八尺を引く距離を伸ばすなどして上積みを図る考えだ。
オホーツク海けた引漁は、各漁協で7月下期~8月上期の値決めが行われ、大半が100円台半ばの高い水準を維持。原貝の歩留まりはピーク期を迎えているが12%を超えたのは猿払村、頓別、枝幸、雄武の4単協。アソートは3S~5Sが中心サイズとなっている。
八雲町漁協は、労働力が不足している養殖漁家の小規模経営体をグループ化し、共同作業で労働力を補う実証事業に入った。12経営体を3グループに再編して稚貝採取やザラボヤ駆除などを共同化。ことしから5年計画で2年貝から3年貝主体の生産体制にシフトし、作業の効率化、漁業収入の増大・安定化を目指す。
長万部漁協の養殖漁家は、7月中旬から稚貝採取を始め、大半の漁家が終盤戦に入った。必要数量は十分確保しており、着業者は「成長も順調」と強調。半面、ヤスデが激増しており「排除する手間が余計にかかる」と頭を抱えている。