オホーツク海けた引漁は、きょう7日から始まる枝幸、雄武漁協の漁場造成を皮切りに順次、開幕する。今季計画量は前年実績比12%減の17万4270トン。このうち漁場造成は北部、南部合わせ154隻で9000トン前後の水揚げを見込んでいる。
岩手県の広田湾漁協広田支所で21日、ホタテ新貝(一昨年採苗)の出荷が始まった。殼長12~13センチ中心と良好な成長でへい死も少なく、日産2~4トンペースと順調な滑り出し。貝柱歩留まりも13%あり昨季より良いという。
総務省の全国家計調査によると、昨年1年間で1世帯当たり(2人以上)が購入したホタテの数量は487グラムとなり、ピークだった平成15年以降、3年連続で最低数量を更新した。100グラムの平均単価は昨年に続き200円台を突破し6年連続で上昇。価格高騰に歯止めが利かず消費減退に拍車を掛けている。
来季(平成28年度)のホタテ玉冷供給は、2万トン割れが確実視されている状況下、一定程度の輸出が見込まれる。ただ半面、昨季同様、仕事買いによる高値相場と国内消費の減退を予想する関係者が大半を占めている。
渡島噴火湾一帯で耳づりに使う稚貝の変形、へい死が多発している。耳づり本数は昨年を大幅に下回る憂慮すべき状況。漁業者によると昨年の本分散後から増加傾向にあり、現在もなお進んでいるという。
砂原漁協の養殖ホタテ3年貝「帆皇(ほうおう)」の人気が高まっている。ブランド化から3年がたち、注文に対応できない状況。リピーターも着実に増えている。
小樽市の珍味製造卸・有限会社ツクナカ(谷口慎一社長、電話0134・27・1233)は、ホタテ商品を主力に20アイテムを手掛ける。ここ数年、中国系インバウンド(訪日外国人)の増加に伴う免税店の増加などで需要先が広がり、売り上げは上向き傾向。一方で国内消費は伸び悩んでおり、国内向け商品の強化を課題に据えている。
宮城県産ホタテの出荷がこれからさらに減る見通しだ。北海道産半成貝の移入養殖の終漁が早まって2月末ごろまでにめどがつき、端境期を迎える。中部の女川地区の地種新貝に期待がかかるが、数量が限られる。昨秋の移入が遅れた半成貝の成長によっては、4月中旬ごろまで1日数トンにとどまる可能性がある。
森漁協の加工貝(2年貝)出荷が1月から始まった。2月頭は日産30~40トンを出荷。入札額はキロ300円前後で推移している。今季はへい死が目立ち大半の漁業者は昨季比3~5割の減産を覚悟している。
1月18,19日に発生した低気圧の影響で、渡島噴火湾では耳づりの脱落被害が発生した。鹿部漁協では320トン相当の耳づり貝が脱落。被害額は9700万円に上るという。また砂原や森漁協でも脱落を確認。春先の耳づり作業を前に関係者は肩を落としている。