陸奥湾の採苗は比較的問題なく進んだが、小型が多く、場所によっては満度に採取できない漁家もあった。一時は高水温も懸念されたが8月に水温が下がり今後の成長が期待される。本分散は早い人で9月末、大半は10月頭から始める予定だ。
台風18号のホタテ養殖施設被害は、森漁協で大規模に発生した。最も大きい被害は10~20本ののしをセットした5、6カ所が被災し台船撤去となる見通し。同漁協によると昨年の台風被害より大きいという。
来年1月から成貝出荷を始める横浜町漁協の耳づりは、遅い時期に下げた連でへい死が多発しているようだ。ただ全体のへい死割合は昨年より少ないとみられ、着業者は正常貝の今後の成長に期待をかけている。
いぶり噴火湾漁協の加工貝は、各地区で順調に成育している。へい死は昨年と比べ圧倒的に少なく、同漁協では「全体で1割に満たない。生存率は例年並みに戻った」と説明。伊達地区の「早出し」は9月末から出荷する予定だ。
豊浦地区で行った7月後半の成育調査では、3月に下げた耳づりのへい死率が4、5月よりも高かったが1連で数パーセントとごく少量。着業者は「4月の耳づりは1枚も死んでいないロープがあった。その後も順調に成長している」と安どしている。
青森県ほたて流通振興協会は6日、首都圏の消費者160人ほどを招き「青森ほたて料理発表会」を東京・九段下のホテルグランドパレスで開いた。青森県漁連、むつ湾漁業振興会との共催。県の漁業関係者幹部が一堂に会し、都心でホタテをアピールする催しは20年ぶり。料理はもちろん、栄養士による講話あり、ミニコンサートありと盛大に行われた。
岩手県南部でホタテ採苗が5日前後から広域化し、稚貝確保に不安定な浜が出ている。広田地区の南浜(広田湾)ではコツブムシの食害で県北から採苗器ごと移入し、この稚貝を加えて間に合わせたり、地種だけで確保を見込む生産者も。越喜来漁協の崎浜地区は付着種苗の不足で北海道産の移入が増えそうだ。吉浜漁協管内は順調に進む。
広田南浜では採苗前、コツブムシの大量発生で食害の深刻化に不安を強めた。このため、6人の生産者全員が事前に県北から採苗器を100袋ずつ移入した。
最初に採苗した1人は移入を加えて必要量を確保し早めに終えた。5日から採苗する漁家が増えると、移入種苗を使わなくても賄えそうなところが出てきた。
広田湾漁協広田支所ホタテ養殖組合の藤野勝利組合長は「ふたを開けたらぎりぎり間に合いそうだ。5月に2回に分けて入れた種袋(採苗器)の1回目はコツブムシの食害がひどいが、2回目は少ない」と話す。心配した割にある程度採れそうだが、採苗器を分けず1回で入れた人は微妙という。
今春に耳づりした森漁協の加工貝は、例年以上にへい死が少なく順調に成長している。8月中旬のへい死率は3~6%と圧倒的に低く、髙瀬由紀雄部会長は「生産回復が期待できそう」と安どしている。
ホタテの生産量や流通・消費動向が大きく変化する中、むつ湾漁業振興会(立石政男会長)と道ほたて漁業振興協会(阿部滋会長)が約15年ぶりに情報交換会を行った。両団体の正・副会長ら22人が参加。陸奥湾と北海道各海域の水揚げや消流状況について意見を交わした。
オホーツク海南部のけた引は、7単協合計で今季計画の6割に達した。雄武、沙留の進ちょく率は7割、湧別、網走は6割以上を水揚げ。各単協ともおおむね順調に操業している。
標津漁協は本年度、稚貝の分散作業を行う「ホタテ貝養殖作業施設」を建て替える。建築主体、機械設備一括で18日の入札を予定。完成は来年2月末を見込んでいる。