水揚量が回復するオホーツク海のけた引漁本操業が北部で始まった。4月後半開始の猿払村は日産300トン台後半の水揚げ。宗谷はきょう21日から本格化し日産350トン程度を見込む。頓別は9日から、枝幸は近く開始する予定だ。
ホタテの生産から加工販売まで手掛ける株式会社山神(青森市、神武徳社長)は、3月末に対EU・HACCP認証を取得した。卵付き貝柱の販路拡大に向け、5年後の2023年までに原貝ベースで年間1000トンの輸出を目指している。
青森県陸奥湾で半成貝の水揚げが本格化している。地区によっては変形や欠刻などの異常貝も見られるが成育は順調。歩留まりも湾内全域で高くLサイズ中心の大型傾向にある。7日現在の累計水揚量は前年同期比15%増の1万736トンとなった。
宮城県のホタテ養殖で移入北海道産半成貝のへい死率が高まっている問題をめぐり4月26日、座談会が石巻市の県漁協で開かれた。生産者は「移入したくても買えなくなる」と経営の窮状を吐露。原因は分からないとしながらも、道産が韓国輸出増加に伴い過密気味の収容になっているのではとの懸念が寄せられた。半成貝を入れる生産者のグループや漁協支所が道内各産地の生残率を把握して情報交換したり、結束して、道内産地の代表と打開や末永い付き合いに向け協議すべきという提案が共有された。(2回連載します)
耳づり作業。変更、欠刻が多く慎重な選別が求められる(23日、静狩地区)
渡島噴火湾で稚貝の耳づり作業が最盛期を迎えている。懸念された成育は変形、欠刻が目立ち例年以上に丁寧な選別作業を強いられているが、耳づり本数の大幅な減少には至らず例年の7~8割程度を確保できる漁業者も少なくない。
三陸のホタテは昨年度、宮城、岩手両県とも水揚量が大幅に減り、価格が高騰したにもかかわらず水揚額は下がった。特に宮城が深刻。量で42%、額で35%減った。両県の減産の大きな要因は種苗として移入した半成貝、当年貝の死滅だ。高騰、金額ダウンで生産者と買受人の大半は採算が厳しく、種の対策が急務となっている。
最終盤に入った渡島噴火湾の加工貝(2年貝)は4月上期で6単協(長万部、八雲町、落部、森、砂原、鹿部漁協)合計4万1400トンを水揚げした。計画達成率は80%。長万部、落部が2000トン以上、八雲町、森が1000トン以上の残量を見込んでいる。4月末終漁予定だが長万部は5月まで。浜値はキロ350円前後に上がっている。
古宇郡漁協の漁業者グループ(8人)が2016年度(5月~翌年4月)から取り組むホタテ養殖事業が順調だ。2季目の今年度は、昨年12月から3月末までに計10回、76.5トンを半成貝で韓国向けに活出荷。浜値はキロ250円前後で推移している。
道北日本海の留萌管内で地まき用稚貝の出荷作業が始まった。大半が規定サイズ以上の殻長で、若干軽い地区もあるが例年並みに成長。前半戦は今年もシケが多く足踏みしている。
玉冷の2017年度3月末在庫は、適正範囲内の3400トンとなる見通しだ。内販は流通価格の下方修正が奏功し昨年を上回る消化。輸出は米国中心に後半伸びた。