留萌管内で稚貝の仮分散が始まった。遠別が18日、北るもい、新星マリンが20日、増毛が22日に順次スタート。各漁協とも付着量は十分だが、成育に格差がある状況。遠別は1分3厘の目合いで始まったが、新星マリンは1分とやや小ぶり。ただ分散時期がずれ込み苦戦した昨年とは異なり順調に進んでいる。
陸奥湾養殖ホタテの2022年度春季実態調査結果がまとまった。21年産のへい死率、異常貝率および殻長、全重量、軟体部重量の平均値は平年並みとなった。このうち耳づりの異常貝率はやや高いものの、耳づり、丸かごの成育状況は平年を上回っている。一方、幹綱1メートル当たりの収容枚数は平年を上回り、県は適正密度による養殖管理の徹底を促している。
オホーツク海沿岸の6月末水揚量は、漁場造成を含め前年同期比17%減9万7千トン強となった。計画達成率は34%。宗谷、猿払村、紋別、常呂が1万トン超え。猿払村は日産440トン、宗谷、枝幸、常呂は日産300トン台中盤。歩留まりは12%前後、一部13%以上と上昇傾向。組成は3S中心だが南部の一部は5S中心。浜値は大半がキロ200円以上となった。
海外マーケットの大幅な需要回復に伴い、昨年から継続する輸出主導のホタテ玉冷。米国の減産や物価高、円安相場が大きく影響し海外需要がけん引する形で新物シーズンに突入した。製品価格は3Sの産地蔵前がキロ3千円台中盤から強含みの展開。このため国内消費は下降の一途をたどっている。量販店に加え、コロナ禍の収束感から動き始めた外食産業の引き合いも消極的。円安進行で「輸出主体やむなし」との見方はあるものの、消費地からは冷静な価格設定を望む声が強まっている。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で生産した今年の稚貝は、前年比28%増の12億5940万粒となった。近年では最高水準。昨年のような成長不良には至らず、契約粒数が増加したこともあり伸長した。一方、昨年の韓国向け活輸出は前年並みの5414トン。今年も堅調に推移している。
輸出主導の相場高で始まった今年の内販は、コロナ禍による「巣ごもり需要」が続きながらも、量販店では売価設定を上げざるを得ない現状に苦慮している。新物の取扱量を抑えながら、すし種や刺身商材で提案。品ぞろえとして確保するが、品質重視の観点から生玉を強化、メニュー提案型の訴求に力を入れる。札幌、首都圏の消費動向、今後の展開を聞いた。
加工貝の水揚げが一定程度回復した2021年度シーズンの噴火湾は、中国向けの冷凍両貝需要が昨年以上に強まった。このため最盛期の浜値はキロ300円台と堅調に推移。産地では両貝主体の加工にシフトし、ボイル生産は昨年より4割減の4千トン台とみられる。
21年度の原貝水揚量は前年度比18%増の5万6700トン。3季連続で増加した。浜値はキロ200円台で始まり、終盤は300円台に上昇。産地加工業者は「序盤から中国の引き合いが強く、中堅各社はボイル生産を減らし両貝主体にシフトした」と説明。コンテナ不足や中国・大連港のクローズで一時的に止まる場面もあったが、引き合いは最後まで続いた。
2022年度の半成貝について、青森県漁連では昨年並みの水揚げを想定している。6月末で終漁したが、ネットの付着物が多く水揚げペースが遅れた漁協もあり7月も継続する見通し。これらを合わせた累計は5万5千トン程度となる見通しだ。浜値は初回入札から堅調に推移、最終5回目に200円を突破した。今後のベビー製品の消費動向が注目される。
いぶり噴火湾漁協の耳づり作業は、大半の漁家が加工貝出荷後の4月頭に開始し、5月末~6月上旬ごろに終了した。稚貝に変形やへい死は見られず、各地区とも必要量を確保し順調に進んだ。
道ほたて漁業振興協会(髙桑康文会長)は、海洋環境や社会情勢が変化する中、各市場のニーズに応じた適切な選択と手段を講じ円滑な消流を図る。米国や中国の動向を注視しつつアジア圏主体に品質訴求。干貝柱は香港情勢や中国加工品流通を背景に各種リスクに応じた流通体制を整える。