オホーツク海沿岸の4月末ホタテ水揚量は、昨年より千トン余り多い2万4600トンとなった。宗谷漁協は4月上旬に漁場造成を終え本操業入り。猿払村、頓別漁協も5月の連休明けから本操業をスタートする。漁場造成の歩留まりは昨年より低く、大半が7~8%と例年並み。値決め価格は昨年より抑えられている。
香深、船泊の礼文島2漁協のナマコけた引漁は、例年に比べてナギが使えたことに加えナマコの入り方も良く順調な水揚げで推移、ノルマ達成船から順次終漁している。ただ浜値はキロ3千円台中心で昨年を下回っている。2月1日にスタート。120グラム以上が漁獲対象。それ以外は海中還元し資源保護に努めながら操業している。
厚岸漁協のツブかご漁は、シケ頻発の海況で出漁回数が伸び悩む。つぶかご漁業班の重島保之班長は「今年はシケが発生すると3~4日続く」と話す。序盤は低水準の水揚げで推移しているが「5月以降の増産に期待したい」と望みを託す。
紋別漁協の毛ガニ漁は従前の水揚げに及ばないものの、昨年を3割ほど上回るペースで推移している。19日時点の漁獲量は9トン。神敏雄船団長は「大中と小で半々。場所によって大中が8割近い日もある」と説明。資源状況について「戻りつつある感じ」と話し「今季は若を漁獲しないため、来季に期待したい」と見据える。
礼文島のコンブ養殖業者は、夏の収穫期に向けてコンブの成長を促すため、施設の深度調整やホソメ(1年コンブ)の除去などを進めている。これまでの生育状況は「長さが短い」と指摘する声もあり、今後の伸長に期待を寄せる。
紋別漁協は稚貝生産の拡大に向け養殖施設の増設を決めた。新設7台、遊休施設1台の計8台を整備し500万粒の増産を計画。合計160台の施設で年間9千万粒の生産を目指す。他産地からの購入のうち大きなウエートを占める能取湖産の大量死を受けたリスク回避の一手段。紋別帆立増養殖部会(4軒)の伊藤晴之部会長(第五十八元幸丸=14トン)は「部会として対応できる範囲の対策を進めたい」と話す。
北海道産タコは昨年来、空前の高値に付いている。2年連続の2万トン割れとなり、供給量が低水準。加えてアフリカダコの搬入が不安定で加工原料の代替需要も影響し、煮だこ製品が品薄状態。今年も水揚げが低調な出足で生産面では好値継続の様相だが、消流面では価格先行に限界感も存在。今後の漁況や消費動向次第の先行き不透明感も漂っている。
道内外の卸売市場に噴火湾産の鮮魚・活魚卸を手掛ける鹿部町の海鮮商店(木元貴光代表、電話01372・7・3254)は、ツブやホッケなど前浜産の付加価値加工品の開発・販売にも取り組んでいる。特にミズダコの頭をうどんのように切った「たこうどん」が2年前の商品化以来、ネーミングのインパクトも受けてSNSやメディアに取り上げられるなど看板商品に成長。鹿部産の発信に一役買っている。
ニシン刺網に着業する北るもい漁協羽幌本所の小笠原強さん(強生丸=4.7トン)は、1網0.5反つなぎで仕立てている。「船上で巻く時に1反では収容するかごが2つ以上にまたがるが、0.5反にすると1かごに収まるため仕事がはかどる」と説明。一方、長男の海都さんはiPadを活用しており「航跡や投網場所を記録することで今後に役立てたい」と笑みをこぼす。いずれも今年から始めた手法。出荷後に漁具・漁法を説明してくれた。
えりも漁協のサメガレイが好値で推移している。活出荷で良いときはキロ千円台後半まで上昇。着業者は「漁は少ないが値段に支えられ昨年より金額的には良い」と説明する。