道は16日、知事選後の政策予算となる2023年度補正予算案を発表した。水産関係では海藻藻場などがCO2吸収・貯留源となるブルーカーボンの推進に向けた事業を新規に盛り込んだほか、新たな養殖業の推進でウニの陸上養殖の技術確立に向けた実証試験に乗り出す。一般会計の補正額は45億8205万9千円で、当初予算と合わせた総額は前年度当初比2.6%増の293億8590万1千円となった。
函館市の合同会社EGAO(電話050・8880・9145)は、函館近海の定置網で漁獲された小ぶりのサバ、ガヤ(エゾメバル)、ウミタナゴの煮魚を商品化した。「未利用魚介プロジェクト」と銘打った共通の商品ラベルを製作・添付。食品ロス削減や持続可能な水産業の一助となる「エシカル消費」などにも訴求していく。
斜里第一漁協の定置業者・有限会社豊慶漁業部(佐藤唯行代表)は昨年から自船「豊慶丸」で漁獲したサクラマス、ホッケなどの加工販売事業に乗り出している。漁業者ならではの鮮度・品質保持技法「船上活じめ」を施し、徹底した血抜き処理で一夜干しを製造。併せて痩せウニ(エゾバフン)の蓄養・加工も試行。地域・組合・前浜資源の知名度向上や魚食普及、定置経営の安定などを目指す。
国内大手のアウトドア用品メーカー・株式会社モンベルが販売する自動・手動膨張式救命胴衣「インフレータブル ライフベスト」「インフレータブル ライフチューブ」が漁業者に好評だ。必要な機能の装備に注力しながら、税込み1万5400円と高コストパフォーマンスを実現。同社ウエアで作業する漁業者らは期待通りの仕上がりに満足している。
魚介類を敬遠する理由に上げられる魚臭の低減効果を持つチーズホエイ(チーズ製造時の副産物)。既に活用したサバの一夜干しが商品化されているが、道総研食品加工研究センターは同時に指摘される「ふっくら感」を解析。ホエイの浸漬処理でサバの一夜干しの食感を向上させる加工条件を確立した。道内の食品企業に情報提供し、商品化に向けた技術支援を進めていく。
宗谷漁協のミズダコが低調に推移している。5月末水揚量は昨年と比べ1割強の減産。いさり樽流しは多い着業者で日量100キロ台と、200キロを超える船は少ない。全道的にも薄漁の傾向から浜値はキロ千円台と高騰している。
鵡川漁協の今季ホタテ漁は5月20日に終え、鵡川と厚真の両地区を合わせた出荷量が千トン超となり昨季を上回った。両地区とも今後は資源増に向けた施策を検討する。厚真地区では今季、2022年12月に開始。3隻体制で日産3トンをめどに天然発生貝を漁獲した。鵡川地区は今年2月下旬、地まきホタテ(2年貝)の水揚げを3隻でスタート。水揚額は2地区で約4億円だった。
根室の貝殻さお前コンブ漁は総体的に繁茂・生育ともに良好。水揚げに船間差はあるものの、好漁船も多く浜は活気に包まれている。増産に期待が高まる中、着業者は「この後どれだけ出漁できるか」と口をそろえ、天候と海況を注視している。
オホーツク海の本操業は北部に続き南部(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)も本格化した。常呂は日産約360トン、紋別260トン、湧別240トンなど。昨年に続き各地で歩留まりが上昇しており、計画達成に向けた期待度も高まっている。
羅臼漁協の春定置で、ドスイカが乗網している。有限会社丸モ田中漁業では日間差が大きいものの、多い日で20トンを超える水揚げ。田中英輔代表は「今の時期にこれだけ揚がるのは初めて」と話す。浜値も上昇しキロ100円強に付いた。