歯舞漁協のウニ漁業者有志5人が取り組むエゾバフンウニ陸上養殖調査研究事業は、昨年度も5種類の餌料を与えて歩留まりを測定した結果、前年同様にコンブやワラビで有効性が示された。また、ウニにストレスを与えない取り扱い方に改善するなどしてへい死を抑制、生残率も大幅に向上した。メンバーの村内茂さんは「さらに成果が出るよう今年も頑張りたい」と意気込む。
常呂漁協のタコ箱が6月末から7月にかけ、すこぶる好調だ。1隻で日量1トン以上の水揚げ。陸側から獲れ始め、7月は全域的に好漁している。浜値もキロ900円台と好値を付けている。
歯舞漁協の夏コンブ漁が最盛期を迎えている。流氷被害などの影響で総体的に資源量が乏しい中、出足は比較的着生状況が良い解放区(昨年の禁漁区)に操業船が集中していたが、採取日数を重ねて「漁が落ちた」(着業者)ため徐々に船が分散。繁茂漁場を探しながら各船操業している。
留萌管内で始まった稚貝の仮分散が苦戦を強いられている。近年にない極度の採苗不振となり、4単協とも必要とする数量を確保するのが厳しい状況だ。付着量が圧倒的に少ないため、ザブトンかごの目合いより小さい稚貝は玉ねぎ袋に入れ直し丸かごに収容して施設へ再投入している。石田和夫増毛漁協組合長は「少しでも無駄にせず、できることをやっておきたい」と気を引き締める。
道東沖のマイワシ漁は餌不足に起因する小型化が進行している。加えて漁場の変動が大きく、漁獲量も伸び悩み。加工業者は「量もなく魚も小さい」と、1尾80グラム以上の需要サイズとかい離した50グラム主体の組成に苦慮。期待薄ながら今後のサイズアップを切望している。
「調理が手間」「骨が多くて食べにくい」など消費者の敬遠要因を踏まえ、魚食拡大に貢献する水産食品の創出を目指し、食品加工研究センターを中心に道総研が開発した「一夜干し+レトルト処理」製法の「骨まで食べられる一夜干し」。青魚では既にニシンは余市町の有限会社丸イ伊藤商店(電話0135・22・3616)が製造技術を活用、商品展開しており、道総研ではマイワシ、サバも研究開発。道内水産加工業者への技術普及で実用化を目指している。
水産庁が7月30日に発表した北西太平洋(道東~常磐海域)のサンマ長期漁海況予報によると、今年の漁期(8~12月)を通じた来遊量は漁獲量が過去3番目に少なかった昨年と同等の低水準。また、1歳魚の割合は昨年並み、体重は昨年を下回り、厳しい漁況が続く様相。ただ、日本に近い1区の分布量が昨年より多く、加えて中・大型船が前倒しで出漁予定。商戦の早期本格化と水揚げ増につながる展開が期待される。
羅臼漁協の春定置で水揚げするブリは、漁場間差が大きく組合全体で好調だった前年同期を下回る水揚げ。春は8月10日で切り上げとなるが、昨年は秋にも獲れ、累計で過去最高の水揚げに達しただけに、秋漁での伸長に期待がかかる。
7月下旬に始まった網走漁協のマス小定置で、カラフトマスの水揚げが振るわない。過去最低となった昨年の序盤より苦戦を強いられ、網起こしは週1~2回ペース。一方でエイやシイラの入網が目立っている。海況の変化に困惑している着業者には、親魚の確保や網揚げ規制など、今後に不安を抱く出足となった。
網走漁協のタコ箱が好調だ。各船の水揚量が急増しており、鮮度保持を優先し1隻日量1.8トンのトン数制限を設けている。浜値はキロ900円台後半と好値。昨年より若干下回るものの高値基調を維持しており、水揚げ金額は前年同期比3割増に伸長している。