枝幸漁協のマス小定置でカラフトマスが激減している。1軒当たりの水揚げは21日現在で日量2~3尾と皆無に等しい状況。ここ数年低調に推移したが、あまりの少なさに着業者は環境変化への不安感を強めている。
道東沖のサンマ棒受網漁は16日から根室・花咲港を皮切りに水揚げが始まった。今年は公海操業で中・大型船の解禁日を例年より前倒しし、10日に小型船とともに一斉出漁。低調だった昨年に比べ好スタートを切った。ただ、船間格差があり、魚体も小ぶり傾向。水産研究・教育機構の長期予報では漁期を通した来遊量が「昨年並みの低水準」と示されており、今後の漁況が注目される。
南かやべ漁協の主に定置で漁獲する魚種は、21日現在のまとめでイワシが数量、金額ともに昨年同期比4倍超と伸長。サバやニシンも水揚げを大幅に伸ばしている。イワシは数量が前年同期比4.4倍の7481トン、金額は4.7倍の3億8千万円、キロ平均単価は9%高の51円。サバは数量が61%増の1035トン、金額は38%増の6600万円、キロ平均単価は15%安の64円。ニシンは春主体の水揚げ。数量が2.2倍の2069トン、金額は2倍の7765万円、キロ平均単価は7%安の28円。
南かやべ漁協のコンブは、天然・養殖合わせた全体の生産が昨年度実績(2565トン)を下回る見込み。水揚げの大半を占める主力の促成が昨年採苗が遅れたことに加え、1~2月には相次いでシケ被害に見舞われるなど苦慮。同漁協は「全体の計画数量2442トンから10%程度減る見通し」と示す。
網走漁協の稚貝仮分散が8日に始まった。今年の採苗は、不調だった昨年以上に苦戦しており、計画粒数の確保が厳しい状況。ほたて養殖部会長の田村隆理事(第十八幸隆丸=14トン)は「希望的観測でも最終的な生産量は計画の6~7割」と見込んでいる。
今年の秋サケ定置網漁で河川そ上数が親魚捕獲計画を下回る予測が示されている渡島管内、胆振管内、えりも以東海域、根室海域は、操業始期から自主規制措置を実施する。網入れ時期を遅らせ、河川へのそ上を促し、再生産用親魚の確保に万全を期す。
「第65回全道漁協みな貯金運動」が9月2日に始まる。重点推進項目「社会貢献型海の子応援マリンちゃん定期貯金」の取扱期間は12月30日まで。全道目標額は100億円に設定。厳しい環境下にも希望を持ち前に進めるために浜の魅力や協同運動を語り合い、未来につなげる運動の展開をテーマに推進していく。
北大水産学部の学生を中心に漁村訪問や水産物の移動販売などの事業を推進する団体「レディ魚ー(ゴー)」で代表を務める同大学水産学部3年の北浦優翔さんと、工学部3年の松岡直哉さんは大学を休学し、今春から標津町の漁師で組織する標津波心会(林強徳代表)の下で漁業やゲストハウスの運営などに奮闘している。大学の授業では学べない魚や自然との向き合い方などを現場で研さん。これから水産業に深く携わっていくための礎を築いている。
苫小牧漁協の夏ホッキ漁(夏ホッキ部会・工藤政吉部会長)は7月単月の漁獲量が前年比76%増74.614トン、金額2.2倍5323万円(税抜き)。キロ平均単価は23%高713円で高止まりが続いている。
今年の秋サケ商戦を展望する一般社団法人北海道水産物荷主協会(根田俊昭会長)主催の全国大手荷受・荷主取引懇談会が6日、札幌市の京王プラザホテル札幌で開かれた。商社や荷受が競合する輸入鮭鱒の生産・搬入動向、相場観などを情報提供。平成以降最低の生産予想下の需要先堅守や消流安定に向け、チリギンとの値差や国産の魅力訴求などが焦点に挙がったほか、マスを主体に海外産も生産状況が低調で価格が上昇局面の中、シーズン入りする秋サケに期待感も示された。