広尾町はことしから、都会の小学生が漁家で宿泊体験する「漁村ホームステイ」に取り組んでいる。7月に初めて実施。広尾漁協の漁業者10人が東京都江戸川区立平井小学校の5年生42人を受け入れ、コンブ製品化などを体験させながら寝食を共にした。町は「子どもが喜ぶ姿を見て、漁業者も自らの仕事に自信と誇りを持つ。そこから漁業活性化につながっていけば」と期待。今後は協議会を立ち上げ、受け入れ体制を強化、知名度向上などを図る。
中国への原料輸出は今季、前評判通り低調に推移している。昨年に引き続き水揚げ不振の中、日本国内向けの原料需要が消流をリード。特にフレーク原料の引き合いが強く、下値を底上げし、中国加工筋の希望値とかい離が生じている。
日本昆布協会(田村満則会長)は、本年度も昆布食育教室に力を入れている。会員企業代表者や、消流宣伝事業をサポートする「昆布大使」が講師を担当。銘柄別のだしやみそ汁の飲み比べなどを通し、うま味を体感してもらうとともに、クイズを交え楽しく授業を展開している。
サンマ漁は11月中旬以降、主漁場の公海の水揚げが急減。シケも薄漁に拍車をかけている。漁業情報サービスセンターがまとめた全国7月~11月25日現在の数量(速報値)は前年同期比47%減の11万トンと、依然前年の半減ペース。過去最低だった平成11年(13万4944トン)に届かない可能性も。このうち、道東4港の数量は同39%減の6・2万トン。
広尾漁協の毛ガニ試験操業が23日に始まった。保志光則毛がに篭部会長は「平年並みの水揚げ。出足としてはまずまず」と話す。大サイズが主体。浜値は初日に上でキロ4千円台半ばを付けたが、その後は弱含みに転じた。
大阪市東成区にある(株)山本(山本卓秀社長)は大正元年に創業、昆布巻きを柱の一つに製造販売する。「軟らかく仕上がる」という道東産さお前を使用。漬け込みや炊き上げには、長年にわたりつぎ足し、昆布や素材のうま味が凝縮された秘伝のたれを使うなど、こだわりの詰まった逸品。直火窯でじっくりと炊き上げる昔ながらの製法で、同社伝統の味を守り続けている。
コンブは北海道が誇る水産物の一つで、北前船によって古くから関西など各地に流通、だしをはじめ、つくだ煮やとろろなどさまざまな形で食卓に上がり、日本の食文化を支えてきた。ただ、近年は生産・消費ともに減少傾向。本特集では、難局打開に向け取り組む産地の資源増産実証試験や普及宣伝事業、消費地の販売戦略、昆布の健康効果などを紹介する。
【福岡】 明太子製造メーカー、株式会社ふくや(川原正孝社長)が運営する業務用スーパー「たべごろ百旬館」は、一般向け昆布商品の販売も強化している。「プロが使う食材を家庭でも」という本物志向の消費者ニーズに応え、だし昆布を少量・手ごろ価格の小袋で展開。また「食べる」「健康」で訴求する商品も増やし、主力の「だし」を加えた3つを柱に構成。今後はPOPや陳列で売り場作りを工夫し商品提案、訴求力を高めていく。
大阪市中央卸売市場本場仲卸の若手経営者らが開くイベント「ざこばの朝市」が注目を集めている。「見て体験して味わえる食育パーク」をテーマに、小学生が調理販売を体験する「キッズレストラン」や「魚をキレイに食べるコンテスト」など子どもが参加・体験でき、主役となる企画をメーンに展開。新鮮な魚を競り落とす「大セリ大会」など趣向を凝らした企画も人気で、来場者は徐々に増加。9月開催の第21回は当初の8倍、約8000人に達するイベントに発展した。
食品、衣料、生活用品などを販売する総合スーパーの不振が続く中、全国一律から地域密着の品ぞろえへ転換を進めている株式会社イトーヨーカ堂(東京都)。札幌市をはじめ北海道の店舗もことしに入って食品売り場を中心に改装などを実施し活性化。生魚の対面販売、地域ブランドの取り扱い、かまぼこ店誘致など水産分野も強化し、実績が出始めている。ヨーカ堂の水産品販売戦略にスポットを当てた。
スモークサーモンのブランドメーカー・王子サーモン株式会社(本社・東京、佐藤徹社長)は30日、大丸札幌店地下1階に直営店をオープンさせた=写真。百貨店への出店は東京都内で2店舗を展開してきたが、北海道内は初。サンドイッチなども提供し、スモークサーモンの新しい食べ方や調理方法などを発信していく。