岩手県陸前高田市の広田湾遊漁船組合(大和田晴男会長)は、第13回産業観光まちづくり大賞で最高賞の金賞を受賞した。2年前に始動した、広田湾の海中で酒を熟成させるプロジェクトの体験型観光が評価された。「地域を巻き込んだ取り組みを活発化させ、もっと人を呼び込みたい」と関係者は意気込みを新たにする。震災の風化が叫ばれる中、人々の交流を通じた地域経済の活性化を目指す。
網走市の(有)牛渡水産(牛渡正敏社長、電話0152・44・5084)は毛ガニやイバラガニの殻を使った「から酒(さけ)」(商標登録出願中)の普及に乗り出している。毛ガニのむき身を1尾まるごと盛り付けた看板商品「ケダマ」などの副産物を有効活用。地元飲食店で提供する業務用を皮切りに市販用商品も打ち出す。網走発祥の飲酒文化として発信、網走特産のPRや地域活性化につなげていく。
「小さなつぼみが花を咲かせますように」との願いを込め名付けた。暖色系を基調とした店内。気さくな由美香ママと女性スタッフがお出迎え。きれいな花に囲まれて、ゆっくりと落ち着いた雰囲気を味わえる。
北海道沿岸での水揚げが定着したブリ。ひだか漁協や羅臼漁協など各浜でブランド化の取り組みも進む中、東しゃこたん漁協も船上活じめで販売拡大に乗り出した。美国沖で大定置を営む有限会社丸榮水産が活じめを実施。漁協職員が脂肪率の測定などで厳選したブリにブランド名称「鰤宝(しほう)」を冠し、10月から出荷を開始。鮮度の良さが評価され、日によって野じめに比べ2倍近い価格が付くなど順調なスタートを切っている。
湧別漁協の刺網着業者が、サロマ湖で掛かるヤドカリの出荷を試みた。胴体から外した爪だけを生出荷し、1軒2~3キロ、ピーク時の日量は40~50キロに上った。鮮魚類の不漁も相まって、地元飲食業が試行的に買い付け。消費者の評判は上々という。
寿都町の株式会社山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は、レトルト食品の商品アイテムを拡充している。今年は昨年に前浜で脂の乗ったマサバが好漁だったのを受け、煮魚シリーズを新たに投入。従来主力の冷凍・冷蔵品に加え、保存性の高い常温品で販路拡大に臨んでいる。
記録的な不漁で終盤を迎えた北海道の秋サケ。今季の消流は在庫リスクの回避、サンマ・イカの凶漁に伴う商材確保など産地、消費地の事情が相まって例年以上に生鮮主導となった。今後焦点の冷凍ドレス、いくらなどの製品は供給量が少なく、昨年よりコストも下がった一方、輸入物の価格も下方修正され、先行きは不透明。旬期消費の伸長などの好材料を通年商材の売り場回復につなげられるか、商戦は正念場を迎える。
「第八龍寶丸」で沖合底引漁を営む枝幸町の合名会社枝幸水産商会(岩谷隆行社長、電話0163・62・1622)は、漁獲物を主体に取り組む加工販売事業でホッケのフライを新たに商品化し、居酒屋などに販路開拓を進めている。また、海外市場に向けては今年からシンガポールへの鮮魚輸出に乗り出している。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社(織茂信尋社長)は、PB商品としてレトルト食品「小川原湖産大和しじみ」を開発し、1日から全29店舗で販売を始めた。時短需要を捉えながらも、産地と原料を厳選し高品質を追求した商品に仕上げた。
えりも町の株式会社マルデン(傳法貴司社長、札幌支店011・622・5566)は、人気の外食業態「バル」スタイルで手軽に食べられる水産総菜など今年の新商品シリーズで、ホテル・レストランなど業務筋の販路を開拓している。一品料理をはじめ、料理素材としても重宝され、継続使用につながっている。