ひやま漁協乙部地区の日沼賢澄さんはいさりで水揚げしたミズダコを加工し、7月から苫小牧市などでそば店を展開する(有)一休そばに卸している。人気商品「北海道たこ天丼」で提供され、好評を博している。
東日本大震災で全壊し、再建された宮城県石巻市鮎川浜の観光施設「おしかホエールランド」が7月22日、約9年4カ月ぶりにオープンした。流失を免れた巨大クジラの骨格標本などを展示。生態や捕鯨文化を学べる拠点として注目を集める。午前9時~午後4時(水曜休館)。
カニの輸移出入・加工・卸を手掛ける網走市の(有)マリン北海道(下山大輔社長、電話0152・43・8536)は、地元・網走産の魚介類を使った特産品づくりにも挑戦している。これまで秋サケの生珍味・総菜、シジミの米飯商品などを開発。自社店舗や通販での直販、ふるさと納税返礼品などで浸透に取り組んでいる。
日本水産(株)は2020年秋冬新商品として43品、リニューアル品18品を9月から10月にかけて順次全国発売する。このうち水産品カテゴリーでは、宅配向けの冷凍食品として「レンジで簡単!やわらかにしんと彩り野菜の炊き合わせ」を9月1日に発売。ニシンが持つ栄養価に着目、小骨が気にならないよう加熱加圧処理を施し完成させた。
-青魚特集-
道東沖のマイワシ漁は群れが薄く、組成も小型化で苦戦を強いられている。ミール向けが主体で浜値も全般的に低調に推移。本州への生鮮出荷も振るわない。ロシア水域からの群れ南下が期待できる8月中旬の盛漁期での挽回に望みをつなぐ。一方、サンマ漁は大臣許可の棒受網船が10日から順次出漁。水産庁の漁況予報では昨年より厳しい見通しが示されている。
・来遊量昨年下回る
・イワシ組成回復が鍵
・新資源活用に挑戦
-他、本紙紙面にて
道水産林務部は昨年度、シンガポールの飲食店向けに冷凍イワシの試験輸出に取り組んで、船便輸送で生食用商材として供給できる鮮度・食味評価を確認した。特にミドル層(中流階級)主体の店舗で価格面も併せて市場開拓の可能性を見いだした。
厚岸漁協(川崎一好組合長)が厚岸漁港湖南地区の人工地盤に建設を進めていた新荷捌施設が竣工、1日に供用を開始した。屋根付き岸壁などと一体的に機能し、陸揚げから出荷まで安全・安心な水産物を供給する衛生管理型漁港を形成。蓄養・活魚水槽、低温庫の整備など品質・鮮度保持体制も強化し、サンマ、イワシ、カキ、アサリ、ホッカイシマエビなど厚岸産ブランドの付加価値向上に一層力を入れていく。
不漁が続く岩手県の秋サケ漁が今季も低迷しそうだ。県水産技術センターが7月27日に発表した2020年度(9月~21年2月)の回帰予報によると、数量195万尾、重量6158トンで東日本大震災前の平均値(06~10年度)の2割程度にとどまる見通し。地球温暖化が大きな要因とされる中、即効性のある対策は見当たらず、資源維持のための種卵確保への影響も懸念される。回帰時期は11月下旬が中心となる見込み。
カレイ刺網で水揚げした鮮魚の販路開拓に力を入れる野辺地町漁協の熊谷浩理事(勇宝丸=2.4トン)。今年は東京都内の飲食店と提携し、活じめ処理したマコガレイなど魚介類の産地直送を始めている。
熊谷理事は以前から青森市内の生協や鮮魚店、県外飲食店への出荷、県主催の「肴フェア」参加など、活魚を中心に販路を拡大。今年は水産流通業者を通じ、6月から毎週金曜の週1回、東京都文京区根津の飲食店「焼鳥 鳥兆」に魚介類を送り始めている。放血や神経じめを施したマコガレイ、ヒラメ、カナガシラやマボヤなど「毎回10キロ程度を発泡に詰める。その週に掛かった魚を基本に、先方の要望に沿ったしめ方や梱包で送っている」と話す。
羅臼漁協の天然コンブは、昨年を上回る繁茂状況で増産に期待がかかる。ただウニの食害が例年以上に多く、着業者は「傷ものが多くなりそう」「ウニの多い漁場を避けて採取している」などと話し一様に厳しい表情を見せる。実入りは漁場でばらつきがある。