宮城県石巻市で「オリーブギンザケ」の研究開発が進められている。東日本大震災からの復興のシンボルとして市が栽培する「北限のオリーブ」を餌に活用。地域で養殖が盛んなギンザケの成長促進や肉質改善、新たなブランド展開につなげたい考えだ。
斜里町の(株)丸あ野尻正武商店(野尻勝規社長、電話0152・23・2181)は、水揚げ日本一を誇る秋サケ、マスを中心に前浜産の素材にこだわって商品づくりに臨んでいる。町が認証する優良地場産品「知床しゃりブランド」に1企業最大品目数の4商品が登録され、卸販売を主力に直売店やネット、全国各地の物産展などで発信している。
常呂漁協の若手漁業者が立ち上げた「マスコスモ合同会社」(川口洋史社長)は、今冬も北海道イタリアンバル「ミア・ボッカ」のパスタ料理に地場産のカキとホタテを提供している。生産者の顔が見える食材が好評を博し、札幌市内はじめ道内外各店舗の販売数はうなぎ上り。川口社長は「今回はホタテも提供した。ぜひ味わってほしい」と喜んでいる。
サケ漁獲量日本一を旗印に漁業、観光業など地域振興に取り組む斜里町では今季、地元・ホテルへの前浜産秋サケの供給ルートを構築。9月15日から10月15日までの期間、ウトロ地区の大型ホテルが生秋サケを使用した特別メニューを企画し、宿泊客らに好評を博した。10月15日以降も冷凍原料を使用し、通年でサケ料理を提供、「鮭、日本一のまち」をアピールしている。
1年むき身主体のサロマ湖産カキがシーズン入りした。今季は身入りが良く出荷量も潤沢とみられるが、コロナ禍に加え産地加工業者の処理能力も低下しており、3単協(湧別、佐呂間、常呂漁協)とも消流の動向を注視。苦戦覚悟の状況下、浜値はキロ千円程度とまずまずのスタート。年末年始の最盛期に向け、市況をにらんだ水揚げとなりそうだ。
コロナ禍で業務筋中心に昆布消費が冷え込む中、催事関係も試飲・試食の禁止や開催自体が中止になるなど販売に苦慮している。各物産展を回る昆布業者は「味をイメージしやすい」新商品や割安なだし昆布を提案するなどして訴求。また、卸やオンライン販売も強化し催事の売上減少をカバー、販売戦略を練り直し奮闘している。
厚岸漁協の養殖ワカメは16日に水揚げを開始した。今季は生育が遅れ、例年に比べ半月程度後ろ倒し。ワカメ養殖漁業班の神達也班長は「これからは水温低下とともに成長していくだろう」と期待を寄せている。
平成以降最低だった2017年(1737万尾)、19年(1756万尾)に並ぶ低水準で終盤を迎えた北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、中期までの来遊数は16年級の4年魚が漁期前予測並みの一方、15年級の5年魚は予測の15%減で、18年に類似した年齢組成。17年級の3年魚も予測を15%下回っている。
標津町の(株)北海永徳(永田雄司社長、電話0153・82・3963)は今季の秋サケ商戦で、標津町など4市町の「『鮭の聖地』の物語~根室海峡一万年の道程~」の日本遺産認定と連動した商品展開に取り組んでいる。専用シールを作製し生筋子の出荷時に同梱したほか、いくら商品に貼付。食文化、歴史などサケを基盤とした地域の魅力発信に一役買っている。
(株)帝国データバンク釧路支店が集計した釧路・根室管内の漁業・水産会社の2019年度売上高ランキングは、釧路市の㈱マルサ笹谷商店が10年連続のトップとなった。上位100社の売上高合計は前年度比5.5%減の1962億2600万円。秋サケ・サンマの記録的不漁で原魚確保に苦慮し、半数以上の企業が前期比減収となった。