札幌市の水産品・冷凍食品卸、丸一大西食品(株)(滝井義明社長、電話011・641・8180)は、特殊冷凍技術を活用した高品質の冷凍刺身商材の拡販に乗り出している。トレーなどの容器に凍ったまま盛り付けるだけで刺身盛りをつくることができる商品展開。量販店などの人手不足や廃棄ロスの課題解消などを含めて提案していく。
グループ会社の栄興食品(有)に最新の冷凍技術「3D冷凍」のフリーザーを導入。直線的に一方向から冷気を当てるエアブラスト方式とは異なり、高湿度の冷気で食材を全方位から包み込んで短時間でむらなく冷凍。食材の表面乾燥や氷結晶の膨張など冷凍のダメージを防ぎ、同社は「解凍後のドリップがほとんどない」と強調する。
海岸・港湾地域の減災対策に威力を発揮する神鋼建材工業株式会社(本社・兵庫県)の「津波キーパー」が注目されている。津波の減衰による構造物被害の抑制や海・居住地への漂流物流出入防止など効果はさまざま。北海道内ではこのほど、長万部漁港に初めて設置された。
稚内市の水産加工・丸共水産株式会社(宮本宜之社長、電話0162・23・4050)は、消化管での吸収性に優れた低分子糖鎖「糖鎖オリゴマー」の量産技術を開発した。札幌市手稲区に製造拠点「札幌ファインケミカル研究所」を構え、16日生産を開始。カスべ由来のコンドロイチン硫酸などを使用し、3年以内に年間1トンの生産を確立。健康食品や化粧品、医療用の素材などに拡販を目指す。
復興を象徴するカキ、宮城県南三陸町の「あまころ牡蠣」の提供が東京都内のバルスタイルの飲食店でも始まった。デビューとなった昨年は出荷数に限りがあったため、一部のオイスターバーチェーン店でのみの提供だったが、2年目の今年は増産化に成功。昨年の5倍近くの10万個出荷の見通しが立ったため、販路を広げることができた。
昆布森漁協の養殖カキが「仙鳳趾(せんぽうし)」ブランドとして定着している。市場流通業者や小売・飲食店など関係者のほか消費者にも着実に浸透。ふっくらした大粒な身と甘みのある濃厚な味わいが特長で、人気を集めている。産地では養殖業の確立で、コンブなどを兼業せずカキ一本で生計を立てる漁家も。後継者も多く、部会では産地視察などを通した若手育成にも力を注いでいる。
日報ビジネス(株)主催の「2017札幌パック」が21~23日の3日間、札幌市白石区流通センターのアクセスサッポロ(札幌流通総合会館)で開かれる。食品産業界のニーズに対応した包装に関わる最新の技術・情報・システムが一堂に集結する北海道内最大級の包装・食品産業イベント。23回目を数える今回は「環境に適した包装と安全・安心の食生活」をテーマに、平成27年の前回を上回る146社(321小間)が出展する。
海難防止・水難救済センター全道大会が3日、江差町の江差港新北ふ頭で開かれた。全道の救難所所員が参加し、救難技術競技や救助訓練を通じて海難救助の知識と技術を再確認するとともに、海難事故未然防止への意識を高めた。救難技術競技では、乙部救難所が総合優勝した。
宮城県女川町の地方卸売市場竣工式が5月30日、同市場で挙行された。東日本大震災で被災した施設の新設復旧で、女川漁港に東、中央、西の各荷捌場と管理棟が4月までに完成。水産の町・女川の拠点となる魚市場の完全復旧でしかも高度衛生管理型となり、水揚げ増加、復興の弾みにと期待が膨らんだ。
岩手県大船渡市のカレーハウス・KOJIKA(鈴木典夫代表、電話0192・47・4777)は5月、レトルトの「三陸まるごとあわびカレー」2千食をほぼ完売した。地元のホタテとカキを次の素材にカレー製品の開発を進め、早ければ7月に販売する。
あわびカレーは180グラムをレトルトパウチに入れ2700円と高価。4分割したアワビ1個が入る。三陸まるごとシリーズの第2、第3弾として、同市綾里地区のホタテ、赤崎地区のカキに白羽の矢が立った。
鈴木代表は「カキは商品開発が終わって量産する段階。ホタテは9割方開発できた。7月までに(パッケージの)箱ができればいい」と笑顔で話す。早くも盛岡市の百貨店から、アワビを含む3種類をセットでギフト製品にという話がきているという。
【京都】日本昆布協会は5日、京都センチュリーホテルで平成29年度通常総会と6月例会を開き、夏に実施する産地見学・交流会や本年度輸入コンブについて報告した。
冒頭、田村満則会長が「日本昆布協会の立ち位置は、消費者に近く、消費地で根付いた活動をしていくこと。今後も協会が存続・繁栄していくために、こうした活動を続けていくことが重要。消費者にうま味の文化を伝えていくことがわれわれの使命」と述べた。
2年ぶりに実施する「第3回産地見学・交流会」は7月31日~8月5日の日程。6月1日現在22人が参加申し込み。稚内を皮切りに羅臼、歯舞、釧路管内、えりも、南かやべと主産地を回る計画。水揚げや乾燥作業、製品作りを見学し意見交換、見識を深める。