燃油・資材価格の高騰、地球沸騰化時代の到来とも表される気候変動による海洋環境の変化などの影響に見舞われた昨年の北海道の水産業。新年は東京電力福島第一原発・ALPS処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物禁輸措置などの対応が引き続き課題となる。年頭に当たり、道水産林務部の山口修司部長と、道漁連の阿部国雄会長に展望を聞いた。
神奈川県内でマグロの「血合い」に着目し、産業振興につなげる動きが本格化している。全国的にも知られる「三崎マグロ」に新たな価値を見いだすもので、県を中心に研究機関が機能性を実証。地元の産業界でも研究会が発足し、メニュー開発やイメージアップに向けた活動などに乗り出した。注目成分を新たな強みに、県も市も地域振興に本気の構えだ。
斜里第一漁協定置部会は11月30日、札幌駅前通地下歩行空間(チカホ)北3条交差点広場で「鮭漁師祭り」と銘打った斜里産のPR・販売イベントを初めて開いた。定置業者や加工業者の6事業者・団体が連携。水揚げ日本一のサケをはじめホッケ、ニシン、キンキなどの水産品を多彩に取りそろえ、知床・斜里町の魅力を発信した。
道東地区で2店舗を展開する株式会社東武が中標津町に構える大型店「東武サウスヒルズ」は、道東で水揚げされる旬商材の販売で、余剰分をすぐに自店で冷凍加工・真空包装し、年末商材に切り替える商品戦略を展開している。従業員のマルチ化で人手不足の課題を打開しながら、ロスの削減と商品の充実を実現。一方、購買層では地元・日本語学校の留学生、近郊を含めた農家や加工会社の技能実習生といった在住外国人を来店客増加の切り口に着目している。
温暖化による海水温の上昇で、宮城県で本来は東北より南に生息するチダイの水揚量が急増している。西日本ではマダイが旬を外れる夏にも味が良いことから重宝されるが、なじみの薄い県内では低単価などを理由に敬遠され市場に流通しにくい「低利用魚」。仙台農業テック&カフェ・パティシエ専門学校(仙台市宮城野区)の学生がおいしく食べて活用しようと、利益アップにもつながるレシピを考案した。
昨年6月に恵庭市で北海道工場の操業を開始し、今年9月には「昆布だしめんたいこ」など道産水産品ブランド「北海道 椒房庵(しょぼうあん)」(8月7日付既報)を立ち上げた食品メーカー・株式会社久原本家グループ(福岡県久山町、河邉哲司社主)の株式会社久原本家 北海道(浅野高弘社長)。北海道の恵みを最大限生かし、新しい価値を付けた食品を北海道から全国、世界に発信していくビジョンを始動。引き続き「ブランドビジネス」の深化に挑戦、道内企業や生産者との連携も含め北海道の食産業の発展に貢献を目指す。
「牡蠣の日」の23日、宮城県石巻市の市かわまち交流広場で、環境に配慮した地元産カキをPRする第20回石巻かき祭りが開かれた。生食用むき身のほか、のり入りのかき汁やチャウダー、アヒージョなどカキ尽くしの料理が販売され、来場者は旬の味覚を満喫した。水産養殖管理協議会(ASC)の国際認証を取得する県漁協石巻市東部、石巻湾、石巻地区の3支所と市などでつくる石巻かきブランド化事業委員会の主催。かき汁の販売コーナーでは、家族連れらが磯の香りや立ち上る湯気に誘われて列を作り、「ジューシーでぷりぷり。とてもおいしい」と熱々を頬張っていた。
地域の健康増進に一役買おうと、理研ビタミン株式会社(東京都新宿区、山木一彦社長)は21、22の両日、仙台市青葉区の宮城県庁2階「カフェテリアけやき」で食塩無添加の自社製顆粒(かりゅう)だしを使ったラーメンを販売した。塩分量は通常メニューの半分程度で、セットのチャーハンも気兼ねなく味わえると好評。食事に気を使う男性客らの胃袋も満たした。
コンブ研究者らでつくるNPO法人北海道こんぶ研究会(理事長・四ツ倉典滋北大教授)は12日、札幌市の道新プラザDO-BOXで「北海道こんぶDay2023」を開いた。講演や試飲試食提供のほか「利き出汁コンテスト」、アート体験、川柳発表なども行い、来場者にさまざまな角度から昆布の魅力を伝えた。
道水産林務部の若手職員で構成する「道産水産物営業プロジェクトチーム(PT)」は7日、北海道キリンビバレッジ株式会社、株式会社魚国総本社と連携した道産水産物の消費拡大で、札幌市南区の学校法人宝流学園ルンビニー保育園、同もなみ幼稚園を訪れ、「カレイ」をテーマに、園児らに出前授業と料理提供を行った。これまでメニューの開発・提供や店頭販売などに取り組んできたが、食育活動は初めて。