ホタテ玉冷の2024年度消流は、円安水準の為替相場を背景に北米や東南アジアなど輸出がけん引する形で新シーズンを迎えた。昨年後半に3Sの産地価格がキロ2千円台中盤まで下がり国内外需要が伸長。このため3月の期末在庫は払底し2800円程度まで戻す「ない物高」の展開となっている。荷受や商社筋は「これ以上の製品高は国内消費にブレーキがかかる」と危機感を強めており、拡大した内販需要の確保に向け冷静な相場形成を期待している。
古宇郡漁協(池守力組合長)が神恵内地区に建設を進めていた神恵内荷捌所施設が竣工、4月1日から供用を開始した。蓄養施設、屋根施設、製氷施設も併設し、衛生管理型施設の機能を整備。鮮度・品質保持に一層力を入れて、漁獲物の付加価値向上と漁業者の所得向上につなげていく。
湧別漁協のホタテけた引自営船「第三十三ゆうべつ丸」が竣工した。中央ブリッジからおもてブリッジに変更し、船体を大型化したことで機能性・安全性が格段に向上。前方のサイドスラスターで八尺巻き揚げ時の船体調整も容易となった。竣工式で阿部俊彦組合長は元請け・建造元に敬意を表し、乗組員には「安全操業に努め一丸となって作業に当たってほしい」と要請。近く稚貝放流から本格稼働する。
道昆布事業協同組合(山本哲治理事長)はこのほど、小冊子『昆布のチカラ』を作成した。15頁で生態や歴史、種類、健康効果、レシピなどをマンガ形式で紹介する内容。組合員が行う食育授業やイベントなどでの活用を想定している。消流拡大対策事業の一環。道産昆布の普及啓発を目的に、将来の需要を見据えて小中学生を中心とした食育用の副読本として約7千部作成。組合員や関係先などに配布した。
全国の漁業者らが集まった有志団体・BLUE FORUMは飲食業者の株式会社エー・ピーホールディングスと加工業者の株式会社 紀文産業(ともに東京都)と協力して加工品を開発している。前浜で適正価格の流通が難しい魚を原料にした取り組みの第1弾。今回は標津漁協の林強徳さんが供給するオクカジカの冷凍原料で、カレー=写真、グラタン、パスタソースなど5品を6~9月末に展開していく。
4月に始まった青森県陸奥湾の半成貝出荷は、5月中旬からようやく本格化する。昨年の高水温に伴う分散後のへい死が増加したことに加え、収容しているパールネットにユウレイボヤが大量付着したため半成貝の成長不足が散見。4月末水揚量は前年同期比65%減の1760トンと苦戦を強いられている。
東京都・豊洲市場の北海道産ヒラメ消流は競合する九州産の操業が終わり、荷動きが良くなってきている。また、値頃感を訴求しやすい時期になり、和食・すし店以外の飲食店からの注文が目立ち始めた。卸値は高値キロ2千円台前半。直近の大型連休中は3千~2千円台後半と観光需要で急伸したものの、連休明けからは2300円台に落ち着いている。
岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は7日、久慈湾で新たに養殖を始めたトラウトサーモン(ニジマス)を初出荷した。船上で保冷効果の高いシャーベット状の氷でしめた2.5トン。刺身やすし種用商材として引き合いが強く、4月11日に出荷が始まったギンザケより4割ほど高いキロ1300円台で取引された。6月下旬までに120トンの水揚げを目指す。
末永海産株式会社(宮城県石巻市、末永寛太社長、電話0225・24・1519)は、三陸産の海藻やホヤなど7種の具材が入った冷凍食品「海鮮ナムる」を発売した。野菜や山菜で作られることが多い韓国家庭料理の定番をアレンジ。海鮮ならではの豊かな風味や食感をオリジナルの調味料で引き立たせ、ご飯もお酒も進む一品に仕上げた。
ウニ専門店として催事・飲食・卸小売り事業を展開する札幌市の株式会社世壱屋(犬嶋裕司社長、電話011・533・5726)。今年は独自製法「生うに熟成製法」で仕立てる北海道産の冷凍ウニ「幸福雲丹」をミョウバン不使用の無添加にバージョンアップする。併せて主産地・礼文島香深地区に第3工場を構え、取扱数量の増大に着手。社名に込めた品質・物量「世界一」に向け、国内外に攻勢をかけていく。