東京都・豊洲市場の真ツブ消流は相場が下落後に安定している。主力産地・厚岸からの入荷が順調で、落ち着いた水準となり、飲食店での利用拡大につながっている。サイズ別の価格差も明確になり、用途に応じた使い分けが進んでいる。4月以降、相場が下落傾向となり、飲食店でも利用しやすい状況が生まれている。6月2日時点では5キロ入り12~13玉でキロ4千円。仲卸業者は「相対で少し値引きしてもらえれば、顧客に4千円で供給できる。売れて店頭在庫が減ったので、ひと回り小さいホッキの箱に入れ替えて展示している」と話す。
水産庁は6日、2024年度の水産白書を公表した。特集では海洋環境の変化による水産業への影響と対応について取り上げた。海洋環境の変化が、水揚量の減少や出漁の見合わせなど漁業経営への影響となっているが、利用可能な資源への転換、新たな漁法の導入など水産業を持続させるために着手している取り組みについて示した。白書を通し、広く国民の関心を促し、日本の水産業について理解してもらうことを目指している。
斜里第一漁協の斜里漁業生産組合(佐藤寛之組合長)は今年の春定置から自船「みくに丸」で水揚げした漁獲物の鮮度保持で、ワイヤーを使った神経じめや胃洗浄に乗り出した。同業者の実践成果などを踏まえ、従来手掛けてきた血抜き、脳じめに新たな処理方法を付加。サクラマス、トキサケの価値向上を試行している。
「イカがいない」-。函館のスルメイカ釣漁が1日に始まったが、出足は水揚げゼロの船もあり、市場入荷がない異例の幕開けとなった。道総研函館水産試験場の漁獲調査によると日本海側の分布密度は極めて低く、今年も厳しい操業が予想される。
日本昆布協会は2日、石川県金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で通常総会を開き、輸入昆布や消流宣伝といった本年度の事業計画や収支予算などを報告した。また、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に瀬川靖副会長(瀬川食品株式会社社長)を選任した。
オホーツク海沿岸の本操業は、2日までに北部(宗谷・猿払村・頓別・枝幸漁協)、南部(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)の全域がそろい本格スタートを切った。北部は猿払村が日産450トン、南部は常呂、紋別が約270トンの水揚げ。各地歩留まり、組成の状況を見ながらペースアップしていく。
日高管内の春定置はトキサケ(トキシラズ)が好調に推移している。道漁連日高支店の集計(概算値)によると、2日までの累計で前年同期比8倍の63.9トンと大幅に増産。一方、本マス(サクラマス)は45.6%減の158.3トン、青マス(カラフトマス)は98%減の6.9トンにとどまっている。
宮城県の気仙沼魚市場がカツオ一本釣漁船によるビンナガの水揚げで活気づいている。今季は昨年より4日早い5月17日に初入港があり、30日には12隻が合計797トンを水揚げ。4日にも一本釣漁船13隻、巻網漁船1隻が入港し今季2度目の750トン超え、水揚げ高2億9700万円。加工原料など引き合いが強く、キロ平均単価は400円を超える好調な出足となっている。
後潟漁協で理事を務める西谷水産の西谷文昭代表(第八正栄丸)は、マボヤ養殖のロープに付着したムラサキイガイの商品化に乗り出した。漁獲対象外のイガイをマボヤ出荷時に取り込みきれいに磨き上げ、大・中・小の3サイズに分類し販売。主に関東・関西の飲食店から高評価を獲得しており、昨年から活貝販売に注力している。
ホタテの新物商戦を展望する道水産物荷主協会(長谷川博之会長)主催の第31回全国ホタテ大手荷受・荷主取引懇談会が5月27日、京王プラザホテル札幌で開催された。原料確保に伴い製品高となったボイルの消化、輸出主導で高騰した玉冷の冷静な価格形成や国内販路の安定維持に期待する意見が示された。当面は米国関税の行方に注目が集まる。