ニチモウ株式会社、日本農産工業株式会社、住友化学株式会社、昭和興産株式会社の4社は国内初となるフルーツフライ(ミバエの一種の幼虫)のミールを配合した飼料を共同開発した。開発飼料で育てたニジマスとウナギの試食会では参加者から好評を博した。魚粉の高騰で代替タンパク質の必要性が求められており、他魚種の飼料としての活用も検討していく。
福島町(鳴海清春町長)が福島漁港敷地内に建設を進めていた「福島町水産種苗生産センター」が竣工した。老朽化していた既存2施設(コンブ種苗生産センター、ウニ種苗育成センター)の機能を統合、効率的な生産体制を構築し運営コストと管理負担を軽減。ウニ中間育成の機能も併せ持ち、基幹漁業である養殖コンブ(促成マコンブ)とキタムラサキウニの健苗生産と水揚げの持続化を図り、「つくり育てる漁業」の推進に注力していく。
石川県能登地方に伝わる魚醤「いしり・いしる」が、地域の農林水産物や食品ブランドを守る農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。イカやイワシで作り、鍋料理や煮物に隠し味として使われることが多い万能発酵調味料。専用のGIマークを付けて販売でき、ブランド力の維持や向上、輸出促進が期待される。
宮城県の石巻魚市場に1日、県産のトラウトサーモン(ニジマス)が2年ぶりに入荷した。ギンザケ生産者の阿部郁也さん(有限会社グルメイト=本社・石巻市湊西=専務)が試験的に養殖した3トン。記録的な高水温が続く中、ギンザケより成長が早く、養殖期間を短縮できるトラウトへの関心は今後、買受人の間でも高まることが予想される。今季の入荷量は4月末までに計30トンを計画する。
本田技研工業株式会社が2月23日に発売した新型大型船外機の「BF350」は高出力・低燃費が特長。同社マリン事業部サービス課の井上翔也チーフは「パワフルにもかかわらず燃料はレギュラーガソリンの採用で経済性も良い。既に東北のワカメ養殖業者に購入いただいている」と自信を見せる。
羽幌町の株式会社重原商店(重原伸昭社長、電話0164・62・2138)は、前浜で獲れる春ニシンを使った魚ハンバーグ=写真=を商品展開している。生鮮流通で供給過多の傾向になるオスの有効活用と付加価値向上策で考案。業務筋など各種販路の開拓に乗り出している。商品名は屋号の「マルジュウ」と、おいしさの表現の一つ「ジューシー」をかけて「マルジューシーバーグ」。1個100グラム。湯せん、レンジで温めるだけで食べられる。
森町砂原の株式会社澤田水産(澤田光社長、電話01374・8・2162)は、対米HACCPの認定取得に向け、ホタテ加工施設・設備の整備を実施した。原貝の1次処理工場や包装・梱包室を大幅に改修し、衛生管理を強化。併せて凍結設備の低温化や処理能力の増強を図った。国内や既に輸出に取り組んでいる東南アジアなどでの商品力向上に加え、米国など海外販路の拡大を目指す。
3月15日に開幕したオホーツク海沿岸の毛ガニ漁は、流氷などの影響で操業回数が伸び悩む中、浜値は枝幸漁協で大中、小サイズともにキロ7千円台まで上昇するなど過去最高値の滑り出し。昨年産の在庫消化、許容漁獲量の大幅減枠、太平洋の水揚げ低調などで高値基調の局面下、消流動向の先行き不透明感を強めている。
青森県漁連は2024年度の水揚げ計画を前年度実績比32%減3万5千トンと試算している。主力の半成貝が33%減2万6千トンと大幅に減産する見通し。成貝も31%減8900トンと1万トン割れの厳しい計画案となった。昨年の高水温に伴う稚貝や成貝の大量へい死を受け産卵時期の出荷は控える方針のため、4月の半成貝水揚げは大幅減となるもよう。
福島吉岡漁協の促成は、株密度(コンブの本数)を調整する間引き作業が本格化している。シケが少ないため目立った脱落被害はなく作業も順調に進行、着業者は今後の生育促進に期待を寄せている。