南かやべ漁協の大定置は、近年主力となっているブリの水揚げが昨年の1.5倍に上向いた。例年9月に盛漁となるが今年は10月に大量上網。特にイナダは72倍に急増している。低調ながらスルメイカも揚がっており、7日にはキロ1220円と好値を付けている。
渡島噴火湾のスケソ刺網は、序盤から群れが薄く、低調だった昨年の水揚げをさらに下回る出足となった。昨年同様に水深400メートル前後の深みで操業しているが、日量1トンに満たない船も多い。薄漁で操業隻数が少ないこともあり、10月の水揚量は道の集計で前年同期比75%減343トン(速報値)と大幅に落ち込んでいる。浜値は減産に伴う仕事買いの様相を呈しキロ140円台と高騰。加工筋は成熟卵の引き合いが強まる12月以降の相場に警戒している。
標津漁協のけた引が6日に始まった。日産37トンペースで9日までに74トンを水揚げ。仕向けは韓国向け活貝とみられ、浜値は高値がキロ400円、安値220円と堅調な出足。同漁協では「水揚量も上々で、順調にスタートできた」と話す。
日本昆布協会(吹田勝良会長)は6日、神戸市のANAクラウンプラザホテル神戸で秋の例会を開き、本年度上期事業の実施内容を報告した。輸入昆布は中国産が千トンの計画で9月末現在で約450トンを配荷。消流宣伝は大規模イベントへの参加や各地区団体が実施した食育教室への助成を行い、昆布普及に努めた。
釧路市で同地の食文化「炉ばた料理」を提供する居酒屋を営む株式会社くし炉 あぶり家(若原一恭社長)は昨年から道東産を使用した水産品を中心に食品製造業に乗り出している。自社工場を構え、店舗で提供している炭火焼きをはじめパスタソース、レトルトカレーなどを商品展開。「CAMP DE ROBATA」と銘打って、炉ばた料理をキャンプで手軽に食べられる商品も打ち出し、販売拡大に取り組んでいる。
昨年産の在庫を抱え、特に10月前半までは生鮮主体の消流となった今年の秋サケ商戦。札幌市中央卸売市場の生筋子消流も減産下で取扱数量が伸びている。荷動きは相場が昨年より大幅に下方修正され、量販店が積極的に販売展開し、加工需要が活発だった昨年と一変。一方、増産予測も受け、慎重姿勢だった加工筋は結果的に原料手当てが出遅れ、相場上昇下のいくら生産となっている。
国際水産団体連合(ICFA)の年次総会やFAO(国際食料農業機関)との意見交換会が10月23~25日、イタリアのローマで開かれた。日本から大日本水産会の白須敏朗相談役と松本冬樹事業部長、日本トロール底魚協会の吉田光徳会長、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)協議会の冠野尚教事務局長が出席した。帰国した白須相談役、吉田会長らが1日、総会出席に関する報告会を東京都内で開き、「日本側からの報告、提案に各国代表らは高い関心を示していた。国際的な水産シーンにおいて、日本の存在や役割がより大きくなった」と総括した。
漁連・漁協らが地元漁師自慢の魚「プライドフィッシュ」を選定してPRするプロジェクトが今年10年目を迎えた。これを記念し、イオンリテール株式会社は全漁連と協働して10~12日、「イオン」「イオンスタイル」など380店舗で10周年フェアを開催した。10月に新たに加わった魚種や、季節もの、その地域ならではのものを品ぞろえしたほか、未利用魚を活用した新商品を販売。官民協働の魚食普及プロジェクト「いいさかなの日」とも連動させ、国内の水産物消費拡大に取り組んだ。
道水産林務部の若手職員で構成する「道産水産物営業プロジェクトチーム(PT)」は7日、北海道キリンビバレッジ株式会社、株式会社魚国総本社と連携した道産水産物の消費拡大で、札幌市南区の学校法人宝流学園ルンビニー保育園、同もなみ幼稚園を訪れ、「カレイ」をテーマに、園児らに出前授業と料理提供を行った。これまでメニューの開発・提供や店頭販売などに取り組んできたが、食育活動は初めて。
東京都・豊洲市場のナメタガレイ消流は、煮魚の消費が伸びる気温低下が鍵を握る。7日に都心で25.7度と100年ぶりに11月の最高気温を更新。6日に釧路産を仕入れた仲卸業者は「最高気温15度を切ってくれれば、売れ行きは伸びていくだろう」と異常気象の動向を注視している。