新ひだか町東静内の老舗鮮魚店・高槻商店を営む株式会社 銀鱗(堀田毅一社長、電話0146・44・2433)は、活魚蓄養の新技術と電気刺激の脱血処理を施した鮮魚出荷で固定客をつかんでいる。自然界の電気「雷」にかけて「雷神 Raijin 」の表記で訴求し、活きと日持ちの良さが評価を獲得。今後は主力加工品の干物で、対を成す「風神」を冠したブランディングに取り組んでいく。
重茂漁協(岩手県宮古市、山崎義広組合長)の10年ぶりとなる定置網の新造船「第三根滝丸」(アルミ製19トン)が竣工した。従来船より主機の馬力や網の巻き上げ力がアップ。力強い走りと優れた低燃費性能を兼ね備える。紫外線殺菌による漁獲物の鮮度管理なども図られ、主力事業のけん引役として期待が高まる。
株式会社JR西日本イノベーションズ(大阪市、奥野誠社長)は、各地域の生産者らと連携し陸上養殖に取り組んでいる。サバやヒラメ、トラフグ、サクラマス、トラウトサーモンなど11地区で9魚種を生産。技術向上を図るとともに、用水の水質、寄生虫などの検査・管理も追求し「安全・安心」を確保、独自の認証ブランド「PROFISH プレミアムオーガニックフィッシュ」として展開する。「お嬢サバ」など訴求力を重視した各魚種の名称も特徴的で、売り上げを順調に伸ばしている。天然資源が減少傾向の中、持続可能な生産手法として陸上養殖の普及・拡大を推進していく。
噴火湾の加工貝は、さまざまな思惑が交錯し、高値キロ400円台前半と高騰している。仕向けは大半が中国向け冷凍両貝と見られるが、加工筋は「高過ぎて商談が進まない」と実情を漏らす。一方森、砂原ではまひ性貝毒の自主規制で330円に下落したが、冷凍ボイル加工業者は「それでも問い合わせがない。玉冷の荷動きが鈍いためボイルも同調している」と困惑している。
マスク着用が「個人判断」となるなど新型コロナウイルス対策が緩和される中、百貨店を中心とした催事関係の試食試飲は現在も禁止の店舗があるほか、提供可能店舗でも制限が設けられ、出展する昆布業者は商品の訴求に苦心している。
歯舞漁協のアサリ手掘漁は、漁場のトーサムポロ沼に張った氷が3月に入って解け漁場環境が良化、ノルマ消化に向けて順調な水揚げが続いている。浜値も高値基調で、序盤には大でキロ1500~1400円に高騰する日もあった。
落部漁協の舘岡勇樹さんは、刺網やエビかご漁に専念する傍ら、妻・志保さんと任意団体「落部ブルーツーリズム」を継続し、海浜清掃活動や漁業体験活動にも力を入れている。水産業に興味を持つ学生らを受け入れ、環境保護や6次化の取り組みなど漁業現場が抱える課題や漁師の魅力を伝えている。
広島県は10日、フランス在外公館関係者との交流会を東京都港区のレストラン「エディション・コウジ シモムラ」で開催した。食を通じた国際交流に注力している県は、特に美食の国として知られる同国との関係構築を重点的に取り組んできた。EU・HACCP認証を取得した県産カキの輸出が今年2月に開始。これをきっかけとして一層の友好関係を築くとともに、県の主力品の海外展開に弾みをつけたいとしている。
株式会社ニッスイは、2016年から中央研究所大分海洋研究センター(大分県佐伯市)が行っていたバナメイエビ陸上養殖の事業化に向けた事前調査について、環境負荷を抑えながら高品質な製品の安定出荷にめどがついたことから、4月1日から水産事業第二部の事業として運営を開始する。同センターが引き続き技術面をサポートする。23年度に年間110トン、27年度までに既存の施設で年間140トンの生産を計画する。また数年間で事業性を再評価し、増産を検討する。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は14日、札幌市の京王プラザホテル札幌で第59回全国水産物大手荷受・荷主取引懇談会を開いた。主要魚種の長引く不漁、労働力不足やコスト上昇、物流などの問題、ポストコロナ社会の変化などに適応しながら、道産水産物の安定供給、価値向上に二人三脚で臨んでいくことを確認した。