いぶり中央漁協が2017年度を皮切りに取り組む特別採捕のサメ捕獲事業で水揚げされるヨシキリザメの流通経路拡大を促す試みが動きだしている。道内で身肉を消費する慣習が乏しい現状を受け、22年11月には登別温泉のホテルでサメ料理の発表会を実施したほか、道漁連が香草焼きなどの加工品を試作。具体的な成果に直結する展開はこれからだが、付加価値向上を見据えた挑戦が注目されている。
西網走漁協の2023年シジミ漁獲許容量(ノルマ)は、前年実績比4%減の300トンに設定した。計画対比では100トンの減少。資源低迷に伴い、同漁協は「漁期や1日ノルマも見直す予定」と説明する。
東京都・豊洲市場のヤリイカ消流は2月に入って高騰していた卸値が崩れ始めた。青森県中心の集荷で形成された大相場が、他県産の入荷が増えたため供給過多に転じた。加えて年明けの飲食店需要は例年通りに引き合いが落ちている。一方、値ごろ感が出てきたことで、量販店が季節商材として販売強化に動き出している。荷受は「卸値は3キロ箱10尾がキロ1500円。1月の約2千円からここ1週間で400~500円ほど落ち込んだ」と相場変動を説明。産地が岩手県、福島県、茨城県、石川県などに広がり、入荷量が増加。また、バラサイズは800~700円で推移している。
道機船連(風無成一会長)が主要魚種・スケソ、ホッケの付加価値向上・消費拡大策で取り組む学校給食製品供給事業の2022年の総供給数は137万7890食となった。コロナ禍に伴う道の支援事業による供給数を除いた通常ベースでは21年(107万2250食)の過去最高を更新した。学校給食製品供給事業は、所属沖底船の主力魚種・スケソ、ホッケの付加価値対策で04年からフライ製品などの開発・販売に着手。08年以降、道内をはじめ関東以北の小・中学校給食向けに本格的に提案・供給を行ってきた。
札幌市中央卸売市場は、農水産品の輸出拡大に取り組む市場関係事業者の支援に乗り出している。昨年秋に各種輸出証明書の交付業務を開始。新年度には海外販路の開拓・拡大など輸出事業を対象とした補助金を新設する。価格形成など卸売市場の機能を生かした輸出を促進し、市場流通の増大や事業者の経営安定、産地の振興につなげていく。
道水産林務部は、2023年度から当面5カ年間の水産業・漁村の振興に関する施策の展開方向を示す「北海道水産業・漁村振興推進計画(第5期)」の計画案を策定した。10年後の32年に漁業生産を150万トン、3122億円にすることを目標に設定。すう勢は100万トン、1921億円と直近の20年を下回る予測値で、生産の回復に加え、資源管理や栽培漁業の取り組み強化、漁業経営体の育成、就業者の確保、水産物の競争力強化などの施策を総合的に進めて増大を図る。
農林水産省が3日に発表した2022年の農林水産物・食品の輸出実績は、14.3%増(1766億円増)の1兆4148億円となり過去最高となった。多くの国・地域で、外食向けがコロナ禍による落ち込みから回復したこと、小売店向けやEC販売など販路への販売が引き続き堅調だったことなどに加え、円安による海外市場での競争環境の改善も追い風となり、農・林・水産物ともに多くの品目で輸出額が伸び、総額も増加した。
鯨食文化をより多くの若者に知ってもらおうと、東北芸術工科大(山形県山形市、中山ダイスケ学長)の学生が約10カ月かけて、くじらベーコンの販促に励んだ。ゼミの一環として「クジラを広め隊」を結成し、料理系ユーチューバーにレシピ動画の制作を依頼。動画投稿サイトや交流サイト(SNS)で食べ方やおいしさを発信した。動画は期待以上の再生回数が得られ「食材としての認知度を高められた」と笑顔で成果を語る。
宮城の豊かな自然を守り育て、次世代に継承しようと「みやぎ海と森の交流会」が7日、石巻市複合文化施設で開かれた。県内で磯焼け対策や水産資源の管理、森林再生などに携わる若手5人がパネリストとして登壇。海と森のつながりや管理の重要性について意見を交わし、持続可能で活力ある地域づくりにどう生かせるかを探った。
白糠漁協のタコ縄は、12月がシケに阻まれ一度も操業できない異例の出足となったが、1月は前年を上回る水揚げを確保。山田明タコ縄部会長は「例年ピークは2~4月」と示し、今後の上積みに期待を寄せる。浜値もキロ800円台と高く推移している。