札幌市の海産物卸小売・株式会社まる旬(佐藤旬社長、電話011・590・1825)は、冷凍加工品を専門に取り扱い、各種ギフト・景品・自家需要などで個々の予算・好みに合わせたオリジナルセットを考案・販売している。厳選食材の仕入れから梱包・発送業務まで内製化し、一気通貫で提供。北海道の食の価値・魅力を発掘・発信し、企業の成長に臨んでいる。仕入れ先は10社を超え、歯舞漁協の歯舞たこかご部会が厳しい選別基準や餌吐きなどの品質管理で付加価値向上に取り組む活ダコ(マ、ミズ)のブランド「金たこ」も取り扱っている。「今後も各地のナンバーワン、オンリーワンの価値ある商品を増やしていきたい」と話す。
2022年度の岩手県のウニ漁が終了し、県漁連の生ウニ(むき身)共販実績(8月末現在)は数量99.7トン(前年同期比6%増)、金額12億7220万円(同38%増)、10キロ平均単価12万7641円(同30%高)と、いずれも東日本大震災後で最高だった。海況や天候に恵まれ、コロナ禍に伴う内食需要も追い風となった。
ミノリフーズ株式会社(宮城県石巻市、渋田大和社長、電話0225・21・2704)の調理済みレトルトパウチ商品「オラの金華味 鯖水煮」が注目を集めている。サバの水煮では珍しい包装形態だけでなく、さまざまなレシピで楽しめるよう半身をそのまま詰めた点も特徴。情報番組が企画したふるさと納税の人気返礼品ランキングで1位に選ばれた。地元ブランド魚のPRにも一役買う。
広尾漁協のシシャモ漁は低調な出足。初漁後にシケ休みが長く続いたことに加え、水揚げも船間差があるものの総体的に振るわない。一方、昨年同様型は大きく、浜値も高く推移している。
10月7日に初水揚げしたが、それ以降は10日連続で沖に出られず2回目の操業は18日に。着業者は「これほどシケ休みが続いたのも珍しい」と話す。
根室・花咲港を拠点とするサンマ棒受網漁は、低調だった昨年と同水準の水揚げが続いている。9月下旬以降は日量100トン超えも散見され、ハシリより上向いたものの、漁業者や地元の買受人は「水揚げが増えている実感はなく、厳しい状況には変わりない」と一様に不安を口にする。組成は小ぶりで100グラムが目立ち、地元の加工会社は「小サイズが多く、本州送りにも苦労している」と強調。10月中旬以降での水揚げ挽回と組成の大型化に望みを託す。
噴火湾の加工貝(2年貝)出荷は、いぶり噴火湾漁協伊達支所の「早出し」が3日に始まった。序盤は1軒で日産3トン余りの水揚げ。初日は前年比41%高のキロ350円と堅調な滑り出し。13日は2軒で日産6トン半に増えている。
利尻漁協の天然コンブ採取が終漁した。最盛期に海況や天候に恵まれず旗採取はわずかな日数にとどまったほか、繁茂状況も地区でばらつきがあり、同漁協全体で昨年実績(170トン)を下回る減産の見通し。
北海道の秋サケ定置は10月13日で6万トンを超え、大幅回復で3年連続の増産となった。10月の中旬に入っても失速した昨年に比べ持続しており、2016年以来6年ぶりの7万トン台も見えてきた。出足から順調だった日本海、オホーツクの西部や中部に加え、オホーツク・東部の斜網地区も9月後半からまとまり、全道連日2千トン以上の盛漁水準に貢献。19年来の低迷傾向から脱し、終盤の伸びに期待をかけている。
小平産ホタテの商品開発、販路拡大に向け、新星マリン漁協臼谷地区帆立養殖部会の有志が「うすはまフーズ株式会社」(岸良斉社長)を立ち上げ6次化に取り組み始めた。ベビー貝の「レンチンホタテ貝」や3年貝の「味付ほたて貝柱」を主力に独自の凍結製法で商品化。食品ロス軽減を念頭に食べ切りサイズで販売開始した。岸良社長は「居酒屋チェーンなど業務筋の販路拡大も視野に対応したい」と意欲を示す。
全漁連(坂本雅信会長)は13日、漁済連、共水連との共催で、東京・千代田区平河町の全国都市会館で緊急漁業代表者集会を開いた。福島第一原発事故に伴う多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)放出に対する対策や水産予算概算要求の満額確保など、国内漁業の将来展望を切り開く政策の実現を求めた。全国から150人を超える漁業者代表が参加し、水産政策に携わる自民党ら国会議員も出席するなか、結束を強めた。