真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区、谷嶋和夫社長)は18、19の両日、仙台市の産業見本市会館サンフェスタで展示会を開いた。賞味期限切れによる食品ロスの削減を目指す機運が高まる中、高鮮度保持が可能な真空包装機への関心度もアップ。三陸・常磐など東北地方の水産加工会社を中心に約200社が来場した。
大樹漁協のサクラマス養殖実証試験は、大シケや赤潮被害を受けた過去2年と比べて順調に成長している。春の大型連休明けに稚魚約2300尾を搬入し給餌とともに成長を経過観察。一部成熟が早く進んでしまった魚もあるが、大きな減耗はなく、12月の水揚げを目指している。
サロマ湖でカキの水揚げが始まった。序盤は3単協(湧別、佐呂間、常呂漁協)の成長度合に差が生じている。湧別は身入り、放卵の遅れが目立ち、佐呂間は小ぶりだが、常呂はおおむね良好な状態でスタート。出荷量はむき身、殻付きとも、成育の良かった昨年を下回っている。出足低調に加え、消費地需要は強いことから、浜値は高値基調で推移している。
4年ぶりに来遊数が2千万尾を超えた北海道の秋サケ。近年失速した10月以降の漁獲動向が今年は持続したのが特徴。低迷期に入って前期偏重だった期別の来遊数が平年化・平準化を示し、道総研さけます・内水面水産試験場は「資源回復への一つの入り口」と推察する。最終実績3千万尾近くも想定され「定置漁業の今後の制度設計や経営をどう見据えていくのか、重要な年になる」と話す。漁獲動向は2017年以降18年を除き昨年まで10月に入るとぱたりと切れる状況が続いてきたが、今年は10月以降も順調に推移。同水試は「来遊時期の偏りが解消され、期別の資源がうまく来遊してきた16年と同様の回帰を示している」と特徴を説明する。
オホーツク海南部(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)の水揚げは、漁場造成を合わせ10月中旬で約16万トンに達した。前年同期と同水準で推移している。2単協が計画を達成しており紋別が115%、雄武が113%。常呂、沙留も98%と順調だ。歩留まりは11~12%、アソートは3Sまたは5S中心。高値はキロ200円台を継続している。
厚岸漁協のアサリ漁は今秋も高値市況を形成している。かき・アサリ班の遠田城義班長は「9月上旬に試しに出荷した日もキロ700円程度と高値だった。全体的に厚岸の浜値は高い」と説明。浜高傾向を受け、各漁業者間での資源管理の意識が向上。「小ぶりなアサリを出荷する人が確実に減った」と話す。
利尻漁協の養殖は、製品づくりがおおむね終了した。一部施設で春先にシケ被害を受けたり収穫期後半にヒドロゾア(毛)の付着も進んだが、同漁協全体で昨年実績(255トン)並みの生産を見込んでいる。
持続可能な水産業の振興をテーマにしたアジア最大級のイベント「東京サステナブルシーフード・サミット2022」(TSSS2022・株式会社シーフードレガシーと経営誌の日経ESG主催)が19~21日開催された。「水産『ブルーオーシャン』戦略を描く~人権・生物多様性・気候変動から考えるサステナブル・シーフード~」をテーマに、水産分野が向かうべき新しい領域「ブルーオーシャン」を切り開く道筋について考えた。
イオンリテール株式会社は全国に先駆け福島県産水産物を販売する「福島鮮魚便」について、18日に開業した横浜市内の「イオンスタイル天王町」にも設置した。常設店舗は関東を中心に15店舗となった。神奈川県では初の常設店となり販路を拡大させる。また、3年ぶりに試食販売も再開させ、対象商品の販売数量は前年比で3倍を目指す。福島県産水産物が再び全国で身近な存在になるよう働き掛けていく。
東京都・豊洲市場のマサバ消流は、身質で宮城産や西日本産など他産地が北海道産よりリードしている。荷受は「北海道産の身質は時期的にまだ早く魚体が細い。脂の乗りが遅れているようだ」と指摘。また、1箱内で鮮度にばらつきがあり、仲卸業者は「価格別に売り分けなければいけない」と話す。