1日に解禁した道南太平洋沖のスケソ刺網は、胆振管内の主産地・いぶり中央漁協では高水温などの影響で着業船の日量が伸びず、ハシリから低水準の水揚げで推移している。23日現在の累計数量は前年同期比45%減の289トン。漁業者は今後の海況好転と増産に望みをつなぐ。一方、魚体も小ぶりで卵が未成熟ながら、浜値はキロ100円超の相場を形成。地元加工業者の仕入れ環境も厳しさを増している。
オホーツク海北部(宗谷・猿払村・頓別・枝幸漁協)の水揚げは、漁場造成を合わせ10月中旬で累計12万8千トン余り。22日時点ですでに頓別、枝幸漁協が計画を達成し、前年実績も超えた。上期の歩留まりは9~11%台に下がり、アソートは依然3S中心だが4S、5Sも増加傾向。浜値は弱含みで200円台を維持しつつも100円台後半に下げた浜が出てきた。
網走漁協のキンキは、数量が上向いた8月後半以降、安定した操業を続け、高値もキロ1万円台と堅調だ。着業する笠原勝利船頭は「縄数を減らしているが、昨年より好調」と話し、年末まで続くことに期待する。
優れた道産食品や旬の味覚などを取りそろえる「きたキッチンオーロラタウン店」(札幌市中央区)は9月28日~10月18日、初めての昆布フェアを開催した。だし昆布のほかおぼろやとろろ、つくだ煮、昆布巻きといった加工品も多数販売。商品を使ったお薦めレシピに加え、主要銘柄の原藻やその特徴・用途を示すPOPも掲示、昆布の持つうま味や奥深さなど魅力を発信した。
北海道の秋サケは、10月中旬で2017年(最終実績1572万4千尾、561億3745万円)以来5年ぶりに500億円の大台を突破した。道連合海区の集計によると、20日現在で前年同期比37.6%増の566億1388万8千円を水揚げ。500億円超えは17年より一旬早く、600億円に向け最終までの上積みが注目される。
京都大学や茨城工業高等専門学校、水産研究・教育機構などによる共同研究グループは、独自の安定同位体分析技術と画像解析によりマアジ耳石の超微小領域の炭素酸素安定同位体分析によって、海洋を回遊する魚類が1日単位で経験した水温の解明に世界で初めて成功した。この成果により、水産資源の動態評価や資源保全策の策定にも貢献できると考えられる
関西電力株式会社とIMTエンジニアリング株式会社が共同出資し設立した「海幸ゆきのや合同会社」は18日、静岡県磐田市に7月新設した国内最大級のバナメイエビの陸上養殖施設で、初出荷に向けた水揚げ作業を実施した。電力事業で培った技術やAIを駆使して養殖施設の水質や水温管理を行い、年間約80トンの出荷を計画する。高品質な国産バナメイの量産化、安定供給を目指している。
函館大学と八雲町、水産加工の株式会社イチヤママル長谷川水産は、同町が北海道初の海面養殖事業化に取り組む「北海道二海サーモン」を使った「二味弁当」を共同開発した。19日に函館短期大学付設調理製菓専門学校で試食会を開き、6品の料理でトラウトサーモンの味わいを楽しめる和食弁当に関係者が新たな需要開拓の可能性を実感。2030年度の北海道新幹線新八雲駅開業もにらんで商品化を進めていく。
東京都・豊洲市場のスケ子消流は、気温の低下から徐々に引き合いが出てきている。北海道虎杖浜・登別地区から集荷している荷受は「仲卸を中心に大手の鮮魚専門店からの注文が来ている」と説明。仲卸業者は「卸値は高値キロ2千円、安値1300~千円での提供。例年と比べても特に高くはない」と話す。
岩手県漁連は10月26、27の両日、2022年度第1期(11月分)県産アワビの値段を決める事前入札会を盛岡市の県水産会館で開いた。123.9トン(前年同期比7%減)の水揚げ予定数量に対し、10キロ当たりの平均単価は13万7011円(同29%高)。近年では恵まれた漁場環境による歩留まり改善が見られ、好漁への久々の期待感が相場を押し上げた。