留萌管内のニシン刺網が新星マリン・北るもい漁協で盛漁期に入った。3月後半から各地で掛かりだし4月上旬は多い船で3トン台の水揚げ。5日の新星マリンはメスの発泡が3千箱に上向いた。放卵寸前の成熟した魚体が多く、大がキロ600円台の好値発進。増産傾向のため7日時点で300円台と安値に振れたが好漁は続いている。
コロナ禍の影響を大きく受けた玉冷消流。内販は外食産業で苦戦しているが、巣ごもり需要に伴う量販店やテイクアウトを生かした回転ずしは順調に消化している。一方、海外では需要回復の兆しが顕著で在庫確保に向け輸入が加速。期首在庫は昨年の3500トンを下回る予測で、2021年度シーズンを迎えた消費地では新物のサイズアソートと冷静な価格帯に注目が集まっている。
ニシン刺網に着業する湧別漁協の工藤輝之さん(第八晴龍丸=6トン)はイセ7割の仕立て。足棚は鉛付きのものに加え、今年から150グラムの鉛線入りを使用し2種類を使い分けている。出荷後に作業場で漁具・漁法を説明してくれた。
道水産物検査協会がまとめた道産コンブ格付実績は、3月単月が前年同月比9%減の497トンにとどまり、2020年度累計で過去最低だった前年度を0.4%下回る1万2873トンに落ち込んだ。
東しゃこたん漁協古平地区のエビかご漁は序盤の水揚げが伸び悩んでいる。3月下旬で唯一着業する第二十七長洋丸の茂木隆文組合長は「資源が少なく、昨年に比べ漁模様は多少悪い」と話す。
後志総合振興局は独自事業の一環で、新規に後志産ニシンの利用拡大策を推進する。地元で獲れるニシンの成分や脂質を科学的に調査。客観的なデータを管内の水産加工会社や漁協に提供、活用策を探る際の基礎材料としてもらう。
同振興局水産課は「ここ数年、日本海沿岸ニシンの資源量が増えているが、魚体や脂乗りの面でブリストル産と比べて評価が高いかと言えば、必ずしもそうではない」と指摘。一方で「ブリストル湾でのニシン漁は日本向けの採算が合わず敬遠されており、昨年はそこにコロナ禍が追い打ちをかけた。輸入物の調達環境は決して良好ではなく、後志産の仕向先を拡大する余地があるのでは」と現状認識を示す。
福島町観光協会は「フードツーリズムプロジェクト」を立ち上げ、町の陸上養殖アワビを使ったカレーとスルメイカのトンビ(くちばし)を入れた和風パスタを町内の宿泊・飲食店が提供する取り組みを始めた。ポスターやのぼりなどを製作しSNSも活用、新たなご当地グルメとしてPRしている。
農林水産省と経済産業省は、4月からGI(地理的表示)産品の経済連携協定(EPA)利用手続を簡素化している。「網走湖産しじみ貝」や「岩手野田村荒海ホタテ」、「みやぎサーモン」などが対象。地域で長年育まれた特別な生産方法による産品を知的財産として保護するとともに、手続きの簡素化で輸出の促進に弾みをつける。
甘エビ(ナンバンエビ)の加工販売で6次化に取り組む北るもい漁協所属の有限会社蝦名漁業部(羽幌町、蝦名弥代表、電話0164・68・7777)は、家庭で本格料理を楽しめる簡単調理のミールキットを開発した。併せて製造工程の機械化を推進し、生産増大に備えた。4月中を予定している直営店「甘えびファクトリー」の今期オープンから販売を始める。
東日本大震災で被害を受けた宮城県の水産加工業者のうち、生産体制の復旧が「完了済み」と答えた事業者は88%に上ったことが県のアンケートで分かった。施設整備などがほぼ終わったことを受け、今後の復興事業の中心はブランド化推進や企業連携コーディネートなどのソフト面に移る見込みだ。