寿都町漁協が寿都漁港内の蓄養施設で取り組むキタムラサキウニの蓄養試験は来季、施設全体に餌となるマコンブを付けたロープを投入する手法で実施する。自然とコンブを摂餌、ストレスなく成育できる環境を作り出す。
岩手県で6日、アワビ漁が解禁された。同日は、宮古地区の田野畑村漁協が開口。前年の水揚量を上回る好スタートを切ったものの、台風被害が残る漁協も多い。資源保護のため、口開けの見送りを決めた浜もある。2017年度から極度の不漁が続いており、先行きは不透明だ。
宮城県漁協志津川支所戸倉出張所カキ部会(34経営体)が、本年度の農林水産祭の水産部門で最高賞の天皇杯に選ばれた。東日本大震災の被害から復旧したカキ養殖で環境配慮型の漁場作りを進め、高品質・安定出荷を実現。後継者育成にも力を入れてきた点などが評価された。「信じられないくらいうれしい。誇りを持って、より良いものを作っていきたい」と後藤清広部会長は喜ぶ。震災を乗り越えた先に見据えるのは「復活」ではなく、「飛躍」だ。
湧別漁協の刺網着業者が、サロマ湖で掛かるヤドカリの出荷を試みた。胴体から外した爪だけを生出荷し、1軒2~3キロ、ピーク時の日量は40~50キロに上った。鮮魚類の不漁も相まって、地元飲食業が試行的に買い付け。消費者の評判は上々という。
日本昆布協会(大西智明会長)は10月23日、大阪のホテル阪急インターナショナルで「昆布大使と会員企業の懇談会」を開いた。9月に実施した昆布大使向け産地見学ツアーを報告。消費拡大や商品開発についても意見を交わした。
寿都町の株式会社山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は、レトルト食品の商品アイテムを拡充している。今年は昨年に前浜で脂の乗ったマサバが好漁だったのを受け、煮魚シリーズを新たに投入。従来主力の冷凍・冷蔵品に加え、保存性の高い常温品で販路拡大に臨んでいる。
記録的な不漁で終盤を迎えた北海道の秋サケ。今季の消流は在庫リスクの回避、サンマ・イカの凶漁に伴う商材確保など産地、消費地の事情が相まって例年以上に生鮮主導となった。今後焦点の冷凍ドレス、いくらなどの製品は供給量が少なく、昨年よりコストも下がった一方、輸入物の価格も下方修正され、先行きは不透明。旬期消費の伸長などの好材料を通年商材の売り場回復につなげられるか、商戦は正念場を迎える。
山形県の漁業試験調査船「最上丸」が竣工し、10月21日、船籍港となる酒田市の酒田港で式典が開催された。先代最上丸の老朽化に伴う新船建造となり、鋼製で198トンと大型化。底引網のほかイカ釣りや延縄など多種漁業を効率的に試験操業できるよう、漁業者の調査ニーズ反映に努めたほか、海底地形探査装置や計量魚群探知機、自走式水中テレビなど最新鋭の調査、観測機器を搭載した。新たな漁場や漁業資源の開発などによる水揚げの安定、増大に期待がかかる。
今年も不漁に陥っている道内のスルメイカ釣漁。函館も群れが極端に薄く、水揚げ不振が続いている。着業者は「漁期後半に入ったが、これまで少しでも良いと思った時期は一度もない」と苦戦。「ここ最近もカラで帰港することが多い」と嘆く。
水産庁は10月28日、東京都内でサンマの2020年漁期(1~12月)のTAC設定に関する意見交換会を開いた。同庁は北太平洋漁業委員会(NPFC)における資源状況を巡る議論を踏まえ、前年と同量の26万4000トンとするTAC案を示した。