野辺地町漁協のトゲクリガニは、年明けの水揚げが大幅に増えた。1~3月で前年同期の2.7倍に伸長。現在は例年並みの水揚げに落ち着いたが、着業者は最盛期を迎える4月末~5月頭の好漁に期待を寄せている。
10~15軒が着業し刺網で漁獲する。1~3月の水揚量は10.3トン。オスが同3倍8.4トン、メスが2倍1.9トン。
タコ加工の有力企業(株)あ印(茨城県ひたちなか市)は、インドネシア産ワモンダコの取り扱いを伸ばしていく。将来的には、現在の主力であるアフリカ産マダコに代わる原料として拡大させる。数年前から取り組んできたインドネシアでの技術支援を実らせ、これまでと比べても遜色のない品質レベルまで引き上げることに成功した。近年調達に不安のあるアフリカ産との差別化を図っていく。
宮城県沿岸でまひ性貝毒原因プランクトン(アレキサンドリウム属)のシスト(種・休眠胞子)分布が拡大、ホタテなどの二枚貝が毒化するリスクが高まっていることが分かった。
県が昨年10、11月、沿岸94点でシストの分布を緊急調査した。ホタテなどの二枚貝で昨年、まひ性貝毒による出荷自主規制がこれまでになく広域化、長期化したためだ。
この原因プランクトンは水温などの環境条件が悪くなるとシストとなり海底に沈下して休眠。条件が良くなると発芽して浮上、再び増殖する可能性がある。
県によると、調査の結果、志津川湾と女川湾の1点を除く全てのサンプルでシストが確認された。海底の泥1立方センチメートル当たり100個を超える高い密度となったのは唐桑半島東部と志津川湾を除く海域で、特に小泉・伊里前湾と追波湾(長面浦)では700個を超える調査点もあった。
宮城県の養殖ギンザケは序盤、水揚げのペースアップが遅れ高値が続いている。石巻、女川両市場合わせて1日10~15トンペースで900円前後(税抜き)となる日が多い。水揚げは徐々に増えるが、活発化は例年より遅れ4月末ごろになりそうだ。
高級だし昆布産地で有名な羅臼町で、コンブ漁に着業する天神幸吉さんや水産加工会社、宿泊施設の関係者ら有志で組織する「羅臼蓄養研究会」が1月30日の知床の日に発足し、だし以外にも用途を広げるコンブの生産に向けた試験研究をスタートさせた。
この試験研究は、羅臼漁協の協力を得て種苗から中間育成に至るまでのサイクルの構築を目指すもの。これまで未知だった「羅臼の食用コンブ」を広く流通させることで、新たな需要を掘り起こし羅臼昆布の利用可能性を探る。
同研究会代表の天神さんは知り合いのホテル料理長から「1年を通じて羅臼の昆布を使いたい」と相談されていた。数年前から流氷の影響を受けない形で陸上での中間育成を計画。
羅臼漁港の蓄養施設にある水槽5基で、オニコンブの早種と遅種の種苗糸を垂らし、発芽から中間育成で20~30センチ程度まで大きくして沖出しし、6月ごろに収穫するイメージを描いている。
函館市の(株)ユニフーズ(三好恵美子社長、電話0138・40・3232)は、チーズとの組み合わせなど塩辛を中心に新感覚のイカ加工品の開発に取り組んでいる。「イカのまち・函館」ならではのオリジナルキャラクターと併せてパッケージデザインで発信力も追求。若年層、女性層など新時代のマーケットの取り込みも狙って販売提案に臨んでいる。
昨年高騰した北海道産タコの製品相場は今年に入って例年並みに落ち着いてきている。搬入減などで品薄高値となったアフリカ産の消流鈍化、相場の反落が影響。本州の加工筋が在庫を抱えて生冷需要も後退し、消費地の価格形成は軟化。一方、道内産地に在庫はほとんどなく、浜先行の需給環境で春漁を迎える。
松前さくら漁協大沢地区の鳴海康之さんはこのほど、コンブ・ワカメ養殖で使う船外機船「第二十八錦栄丸」を新造した。船上での作業性に加え耐久性も重視したこだわりが詰まった造り。今季から養殖する施設基数も増え「良質なコンブやワカメを生産していきたい」と意欲を見せる。
羅臼漁協のバフンウニたも採漁は前年並みの順調な水揚げで前半戦を終えた。上側(半島元側)漁場が2月にナギを使えたことなどが奏功。ただ3月に入り、シケや流氷による不安定な漁模様で伸び悩んでいる。
宗谷漁協は2017年から小型船57隻に簡易型AIS(船舶自動識別装置)を順次搭載した。目視の利かない夜間や濃霧時にも他船の詳細な動向を把握できるため、漁業者は「安心して操業できる」と、その効果を認めている。