田老町漁協は2月、これまで漁業者に任せられていた津波発生時の漁船避難方法を統一し、ルールとしてまとめた。県内の漁協では初。同漁協でメインとなる船外機船ではほとんどの場合、沖に避難する「沖出し」は行わない。動力船(3~19トン)も含め、操業中の漁船に対し、いかに津波の発生を知らせるかが課題だ。
いぶり噴火湾漁協の本年度加工貝(2年貝)出荷は、へい死の大量発生で減産が避けられない状況だ。当初計画量は、稚貝の成育悪化で例年より減った耳づり本数を踏まえ、前年度実績より3割減の9250トンと設定したが、これをさらに下回る見通し。「昨季実績から半減する可能性もある」(同漁協)深刻な事態で、着業者は「へい死がまだ止まっていない」と危機感を強めている。
宮城県漁協気仙沼地区支所のカキが、シーズン序盤から大粒で身入りが良いと評判だ。一昨年採苗の2年子をむき、主に東京市場に加熱用として出荷。昨シーズンの平均単価は2000円を超え、県内共販と比べ6割近く高い。階上地区の生産者は種ガキの個数調整や成育に合わせた漁場の移動、温湯処理など手間をかけ丁寧に生産している。
落石・根室両漁協のコンブ漁が終盤に入り、ネコアシの本番時期を迎えた。落石は10月5日、根室も同4日から本格的に水揚げ、浜は荷揚げや乾燥作業で活気に包まれた。繁茂状況は漁場で異なる様子。品質面では「コケの付着がなくきれい」との声もある。
スモークサーモンなどを手掛ける札幌市の丸高水産株式会社(田名部實社長、電話011・676・3758)は、北海道産の刺身商材の製造・販売に力を入れている。最新の冷凍技術「3D冷凍」を基盤に、生魚から加工するワンフローズンに特化。委託加工に加え、「瞬造(しゅんぞう)くん」と名付けた自社商品も打ち出し、外食チェーンなどの販路を獲得している。
北海道の秋サケは前期の来遊実績が前年比115%の867万5000尾となり、漁期前予測の68%にとどまった。道総研さけます・内水面水産試験場では年齢査定の解析途中で「来遊傾向はまだ明確に見えていない」が、5年魚、4年魚とも予測より低調な様相。2000万尾台の低水準も懸念される状況だが、今季は中期の割合が高くなる見込みで、全体の75%を占める予測の4年魚に注目している。
道南太平洋のスケソ刺網が始まった。シケの影響で4日に初水揚げ。渡島地区は浅みに船が集まる中、群れは深みで比較的厚く沖側が好漁に恵まれた。魚体は小型主体で昨年初日より隻数も少ないことから水揚量はほぼ半減。それでも「魚探反応は広範囲に見られ、まずまずのスタート」と着業者。浜値は強含みの展開となった。
札幌中央水産株式会社(武藤修社長)は昨年来、北海道産に特化した焼成済みの焼魚シリーズを商品展開している。ガス置換包装で、焼きたての品質を長期間保持。国内の簡便・即食、個食需要に加え、中国など海外市場にも売り込んでいく。
ヤフー株式会社は3日、海の課題を知らせてアクションにつなげるメディア「Gyoppy!(ギョッピー!)」を開設した。海の環境汚染や生物多様性の危機、漁獲量の減少などの課題に関する記事を掲載。一部の記事では、読者がすぐにその課題解決に向けた支援に参加できる仕組みを整える。立ち上げ当初からすでに複数の企業が参画、さらなる輪を広げるため参加を呼びかけるとともに、直面する海に関する課題を社会全体で考える機会を創出する。
来年1月から本格出荷となる渡島噴火湾の加工貝(2年貝)が一昨年度に続き、またしても大量にへい死している。6単協(長万部、八雲町、落部、森、砂原、鹿部漁協)とも8月から9月にかけて多発しており、来年は、ある程度回復した昨季の水揚量を下回る可能性が高い。ここ数年続いている不安定な成育に関係者は頭を抱えている。