中国向け両貝冷凍に仕向けられている青天井の原貝価格は、軟化する可能性が高まってきた。背景には北朝鮮から2万トンの地まき貝が中国に流れるため。大連の増産も影響している。噴火湾や陸奥湾の高値形成は今後落ち着く見通し。このほど青森市内で開かれた県漁連主催の「ホタテ貝販売に係る加工業者との懇談会」で、産地加工業者が中国の動向を説明したもの。地まき漁を行っている北朝鮮の生産量は増加傾向にあり、青森県加工業者は「2万トンが中国に流れる」と情報提供。価格はキロ35元、1元16円換算で560円。サイズは殻長8~10センチという。
さらに主産地・大連の日本種のホタテは今季増産の見通し。一部の養殖業者が国の方針に沿い観光業へシフトする動きもみられたが、大手業者の今季の成育は例年以上に良好という。
三陸沖のアカイカ漁場が予測できるようになった。今冬、青森県産業技術センター水産総合研究所(水総研)の漁業試験船が漁場予測システムで示された海域で漁獲し、八戸市中心の中型イカ釣船に情報提供。30隻全船が日本海でのスルメイカ漁を切り上げ、3年ぶりに八戸沖に移って操業した。水揚げは八戸港で6日まで続き、約600トンに上る見込みだ。
静岡県の5市町(静岡、焼津、吉田、牧之原、御前崎)の行政と1~3次産業の関係者でつくる駿河湾水産振興協議会は、水産物のブランド「駿河ブルーライン」を立ち上げ、観光誘客や地域振興に乗り出した。マグロやサクラエビ、シラスなど駿河湾の原料を使い新商品や創作メニューを開発、提供店舗を増やす。また、エリア内の観光名所を巡るツアーも企画し、県外に向け認知度アップを図る。
室蘭漁協イタンキ地区のマルネ山根漁業(山根進代表)が手掛ける煮だこは室蘭魚市場で根強い人気を得ている。味・色・食感の三拍子そろった仕上がりに、「うちも煮だこを生産しているがマルネほど品質の高い製品はまねできない」と卸業者は舌を巻く。山根代表は「水揚げから短時間で加工できる漁業者の強みを生かして鮮度第一に生産している」と強調する。
【大阪】辛子明太子のトップメーカー、株式会社かねふく(福岡市、竹内昌也社長)は昨年11月、大阪市内に「めんたいパーク大阪ATC」をオープンした。明太子専門のテーマパークで、出来たての明太子を販売する直売店やフードコーナーをはじめ工場見学、歴史や生態も学べるギャラリー「めんたいラボ」も。オープンから3カ月で親子連れなど約15万人が来場、にぎわいを見せている。
クロマグロの資源管理で2月27日、定置入網の小型魚(30キロ未満)を選別・放流する技術開発の報告が青森市であった。魚捕り部に目合い1尺2寸(36センチ)の選別網を設置すると、20キロ以下がここから逃避して高率で生き残り、有効性が示された。
札幌市に「長友国際法律事務所」(電話011・614・2131)を構える長友隆典弁護士(48)は、水産庁出身。漁業権や水協法など水産関連法令に長けたスキルを生かし、水産案件の相談、現場に即した解決方法の提案に力を入れている。水産庁時代の研修や実務の縁から漁業者との交流も深く、水産業の振興を強く留意。「法律の分野からお役に立てれば」と意欲を見せる。
枝幸漁協の漁場造成水揚げ作業(昨年3月)
オホーツク海けた引漁は、あす7日から始まる枝幸漁協の漁場造成を皮切りに順次開幕する。今年の計画量は前年実績をやや上回る18万3700トン。このうち漁場造成は4000トン前後の水揚げを見込んでいる。
日本海沿岸ニシン刺網は前年を下回る水揚げペースで3月漁に入った。ハシリの中心だった大型魚は2月下旬以降徐々に減り、3、4年魚の小型が混ざり始め、後半の伸びが注目される。一方、消流は前年より水揚げが減少しているものの、週末集中型となり、週明けにだぶつき、特にオスの卸値が弱含みの展開だ。
築地市場の仲卸でつくる東京魚市場卸協同組合(東卸)は1日、市場内で会見を開き、早山豊理事長は、豊洲市場の地下水から環境基準を上回る有害物質が検出されたことを挙げ「現時点での移転は考えられない」と語った。