道は17日、平成29年度予算案・28年度補正予算案を発表した。29年度予算案の水産関係分は257億7676万円で、今年度当初比3.4%減。秋サケ資源回復に向けた体制・施設整備に対する支援、昆布の生産・消費拡大、輸出促進、担い手対策などの新規事業を盛り込んだ。
日本海沿岸ニシンは、好漁年となった昨年より水揚げペースが遅れている。漁の本格化が半月ほどずれ込み、最盛期の2月に入っても盛り上がりに欠ける展開だ。
戸井漁協東戸井地区(前浜)のコンブ養殖はミツイシを主力に促成(マコンブ)も手掛けており、3月から間引きが本格化する見通しだ。2月中旬現在おおむね順調に生育しているものの、ミツイシの一部施設で芽落ちしたという。
広田湾漁協広田支所のホタテ新貝(一昨年採苗貝)水揚げが12日、始まった。成長は近年にないほど良好だが、へい死が増加、「3~5割」との見方がある。生産者は、昨年8月の水温上昇や台風による大シケ、河川水流入が要因と推測。高値スタートで価格によるカバーに期待がかかる一方、大震災前のようなへい死の継続、拡大を恐れる。
岩手県産ワカメの成長は現状、おおむね南部で「平年並み」、北部で「遅れている」。刈り採りは2月下旬ごろから徐々に始まる見通し。生育は南部、北部とも順調な様子だが、北部は種苗糸の巻き込み遅れが尾を引く。生産計画は昨シーズン比17%増の原藻換算1万7500トン。
上磯郡漁協上磯支所の定置で、ニシンが好漁に恵まれている。近年水揚げは増加傾向。今季も1月に本格化し全体で約8トンに達する日も。1月~2月16日の1カ月半で、昨年実績を68%上回る38トンを水揚げした。
余市町の有限会社丸イ伊藤商店(伊藤正博社長、電話0135・22・3616)は、主力商材のニシンで小骨まで丸ごと食べられる一夜干し=写真=を開発した。レトルト加工の加熱調理済みで常温流通。消費者嗜好を捉えた簡便性、売り場を選ばない保存性などを追求。「伝統の味を食卓へ」のコンセプトで販路開拓を進めていく。
北海道が策定した「日本海漁業振興基本方針」に基づきモデル地区のひやま漁協は、新たな増養殖による資源造成や価値向上などの事業を着々と進めている。アワビは北海道初のブランド化、アサリは養殖試験に着手。ウニも身入りを向上させる養殖や新商品「塩ウニ」の開発に乗り出している。
ひやま漁協瀬棚地区北部のノリ漁は不漁年だった前年から一転して水揚げは例年並みに復調。1月末現在で数量は前年同期比の4倍以上になった。1月~2月末に採取したノリは特に香りと味が良く、各漁家は洗浄、成型など手間をかけながら家族総出で加工に精を出している。
砂原漁協の底建網で、年明けに本格化するスケソが乗網していない。「こんな年は記憶にない」と口をそろえる着業者は、海況の変化に不安を募らせている。