函館市の有限会社坂井商店(坂井雄二社長、電話0138・47・3009)は、南かやべ漁協の定置網業者と二人三脚で神経じめでの高品質出荷に取り組んでいる。同社の坂井貴博専務が自ら船に乗り込んで選別、神経じめなどを実施。水揚げから出荷までの工程を一つ一つ見直し、魚に与えるストレスを最小限に抑える工夫を積み重ねている。提供先の飲食店からの評価は高く、道内外をはじめ海外の料理店からもリピート注文を得ている。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を31店舗展開する東信水産株式会社(東京都杉並区)は、香川県のブランド「オリーブハマチ」の販売を9月23日から全店舗で始めた。刺身やすし、切り身などの商品として提供している。
北海道の秋サケ定置は9月漁が平成24年以来4年ぶりに4万トン割れとなった。知床半島先端を中心にオホーツクの一部や羅臼が善戦しているほかは低調で、特に日高など太平洋沿岸での極端な不振が影響。最終実績10万トン割れの様相を呈し、ハシリから昨年より高値に張り付いていた浜値は9月最終週の加工盛期に入ってさらに上昇、いくらなど製品価格の修正は避けられない情勢だ。
南かやべ漁協のスルメイカ釣り漁は前年を大幅に上回っている。9月26日現在で前年同期の3倍以上。水揚げ自体は低調だが、今年は釧路沖が振るわず、前浜での操業隻数が多い。浜値も堅調で金額は前年の6倍に伸長している。
三陸の秋サケ水揚げが低調な滑り出しだ。9月下旬、いずれも例年まとまりが比較的早い、岩手県久慈市の定置は1日1000~1500尾(3~5トン)ペース、宮城県南三陸町市場の刺網は26~28日で日産5~7トン。ともに昨季のハシリを大幅に下回る。今季は両県とも昨季並みからやや上回る程度の低迷が予測されているだけに懸念が深まる。価格は久慈のメス高値が1000円を超えるなど全般的に高い。
寿都町の株式会社山下水産(山下邦雄社長、電話0136・62・2023)は昨年来、レトルト食品の商品展開に乗り出した。水産具材の炊き込みご飯の素=写真=とスープの2種類を投入。従来、冷凍・冷蔵品がメーンで、保存性の高い常温品は新分野。台湾輸出など新たな販売チャネルの開拓につなげている。
神恵内、泊、岩内の後志管内3町村は来年度、前浜産ナマコの中国輸出を担う地域商社を設立する。産地から中国の需要先に直接販売できる体制を確立。中国人など輸出業者を介した現行の流通から産地直送に取り組むことで、北海道産のブランド力の維持・強化と併せて漁業者や漁協、加工業者など産地の高収益化を目指す。
函館市漁協(瀧川久市組合長)は今年度から函館市と共同で漁場整備事業を行う。磯根資源の増大を目的に磯焼け漁場の改善などを実施。今年度は雑海藻駆除、来年度は天然石の投石による漁場造成を計画している。
湧別漁協のサロマ湖内カレイ刺網は、大型サイズの割合が例年より多く、浜値はキロ500円台の好値を付けている。水揚量は昨年並みだが、1隻日産100キロ以上と順調に推移している。
ISF合同会社(札幌市、代表取締役・長尾春恵、澤井昌子)、西日本貿易株式会社(弓田太社長)は、抗がん作用が注目されるナマコの含有成分を新製法で無菌粉末化、健康食品・薬品向けに販売に乗り出した。国内外の製薬・食品会社から引き合いも得て、西日本の離島で取り組む完全養殖を基盤に量産化を進めていく。