噴火湾では養殖2年貝の水揚げが本格化した3月から、両貝冷凍輸出が一気に動き出した。このため原貝価格は高騰し、入札価格で250円台を付けた。胆振側の値決めでも231円まで上昇。噴火湾の消流は昨季同様、輸出主導の様相を呈している。
中国の両貝冷凍需要は今季も旺盛で、中国バイヤーは連日、湾内入りし買い付けに動いている。中国向け輸出量は昨季を下回る予測が大勢を占めるが、引き合いは3月に入って急増。オーダーに対応しきれず「これ以上、受けられない」(加工業者)ほど加熱している。
岩手県産ワカメの初入札が14日、大船渡市の県漁連南部支所で開催された。ボイル塩蔵は3876箱(1箱15キロ)上場、芯抜き1等は最高値が重茂産の1万230円(10キロ値)、5浜産が7千円台の落札となった。数量の多い抜1等が昨年の初値を大幅に下回り、生産者には厳しいスタート。三陸産の在庫水準の高さと福島原発事故の風評懸念が要因とみられる。
新ひだか町静内の丸静水産加工株式会社(土屋祐喜社長、電話0146・44・2733)は、町商工会飲食事業部会(部会長・半田朋雄理事、加盟91店)と、日高近海で獲れるカジカのすり身、日高コンブを使った揚げかまぼこを共同開発。昨年11月末にJR静内駅舎内の町観光情報センターぽっぽで販売を開始し、好調な売れ行きを見せている。
株式会社天満大阪昆布の喜多條清光社長は1月、ニューヨークを訪れアメリカ版「昆布塾」を開催、料理人など食のプロを相手に昆布やうま味の魅力をPRした。調理師免許を持つ喜多條社長自らだしがら昆布を使ったパスタなどを調理。試食が足りなくなるほどの人気ぶりで、ニューヨーカーをうならせた。うま味に対する関心も高く、「昆布業界の光はうま味。それを確認できたのが一番の収穫」と話し、海外展開への大きな一歩を踏み出した。
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この記事は2014年03月17日の一面に掲載されました。
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岩手県釜石市の平庄株式会社(平野隆司社長、電話0193・22・1097)は、隣接の大槌町に将来の事業展開を見据え「平庄株式会社大槌食品工場」を建設した。高次加工商品を生み出す新たな構想のもと、各種の最新鋭機器を装備した工場。4月からの本格操業を目指す。
ことしのオホーツク海けた引き漁が開幕した。8日に始まった雄武漁協の漁場造成を皮切りに、紋別、頓別漁協など順次スタート。雄武は初日に59トンを水揚げした。今季の計画は漁場造成を含め30万8900トンで、前年実績並みの水揚げを見込んでいる。
岩手県宮古市の共和水産株式会社(鈴木徹社長、電話0193・77・4625)は、生産能力でこれまでの約2倍の規模となる新工場を建設した。前浜宮古で獲れるスルメイカや魚介類への愛情とこだわりを持ち続けて自慢の商品を展開している。スル メイカの生食を中心とした末端向け商品を展開する工場で、東日本大震災からの地元復興に意欲を燃やしている。
岩手県の田老町漁協(小林昭榮組合長・宮古市)は2月26日、アワビ種苗生産施設を同市の摂待漁港に竣工した。東日本大震災の津波で流失した施設の新設復旧で、震災前と同様に30ミリサイズで120万個の生産を目指して4月から採苗し、来年6月に待望の放流を再開する。アワビは組合員のうち450人が着業する大宗漁種で大きな収入源だけに、増殖による資源と生産の回復に期待が掛かる。
岩手県の重茂漁協(伊藤隆一組合長・宮古市)は10日、「復興缶詰・味付さば」(復興鯖缶)の本格販売を開始した。同漁協自営定置の根滝漁場で水揚げされた脂乗りの良いサバを厳選し、しょうゆと昆布などの天然素材だけで味付け。大震災からの「復興の旗印に」と企画、早くも好調な売れ行きだ。
稚内漁協の毛ガニ刺網が順調だ。例年になく大型で数量、金額ともに昨季の2倍近く伸長。組成は1キロサイズも多く7割が大サイズ。ただ着業者は「単価が伸びない」と残念がる。