道北日本海の留萌管内では、今季も成貝の韓国向け活出荷が進みそうだ。昨年同様、各漁協には引き合いが来ており、4月10日には遠別漁協が今季初出荷。他3単協も稚貝出荷完了後、順次、対応する予定だ。
東日本大震災の甚大な被害や多くの困難を乗り越え、岩手県大船渡市に新大船渡魚市場が完成した。三陸沿岸水産業復興の一躍を担う新拠点で、地元をはじめ多くの関係者にとって待望の施設。高度な衛生管理や鮮度管理の体制を整え、閉鎖型でありながらも広々とした卸売場、各種の効率化と電算化が図られた魚市場など、最先端の機能を誇る施設として注目される。熱心に展開してきた外来船誘致活動にも弾みとなる。さらに、展望デッキなど観光面の機能も備え、同市場を拠点とした復興の加速化が期待される。
札幌市の水産物卸・株式会社海鮮問屋MO・オリジンは昨年11月に紋別市に加工場(電話0158・28・6468)を構え、羅臼の海洋深層水を使った一夜干し、塩蔵、珍味、魚卵など加工品の製造販売に乗り出した。今後は畜養設備を活用し、オホーツク産ホタテの活輸出も進めていく構えだ。
新星マリン漁協のニシン刺網は、小型ながら徐々に魚が見え始めている。臼谷地区では4月8日に50箱を水揚げ。「3月まで全く獲れなかった」ため、着業者は今後の伸びに期待を寄せている。
株式会社キタショク(石狩市、村野智基社長)は、焼成、レトルトなど各種加工機械を備え、平成25年1月の設立以来、3枚おろしなど一次加工品から最終製品まで幅広い商品需要に対応。2年目を迎え、委託加工、自社販路の両面で、道産原料を主軸に道内向け加工・販売の拡大に乗り出していく。
風蓮湖で行う別海漁協の氷下待網で今季、ニシンの水揚げが大幅に伸びている。漁期序盤が好漁に恵まれ、4月3日現在の取扱数量は前年同期比5.9倍の363トン。着業者は「春に再び獲れることも多い」と話し、今後の上積みに期待している。
宮城県のコウナゴ漁が8日からまとまり、石巻、女川両市場に同日約65トン、翌9日約100トンが水揚げ、上場された。好調なハシリで、サイズも小さく値の上がる加工向け主体となるが、両日の平均価格がキロ300円前後となるなど昨年より安めの滑り出し。主漁場は仙台港沖。「成長が早い」との見方があり、序盤の好漁持続に期待が掛かる。
道北日本海の留萌管内で、ホタテ稚貝の出荷作業が始まった。増毛漁協では4月2日に初出荷。低水温で貝の成長が危ぶまれたが、各漁家は「順調に成長している」と話す。出荷は5月中旬まで続く見通し。
日高中央漁協のヤナギダコは、空釣縄、タコ箱漁を含めて36隻が操業。水揚げは「不漁だった昨季より獲れているものの、低水準」と着業者。一方、浜値はキロ550~530円と、300円台だった昨季に比べて堅調だ。
4月1日付で道水産林務部長に就任した山崎峰男氏は4日、記者会見し、水産行政かじ取りの抱負を語った。第一に海域間格差を課題に挙げ、低生産地域の底上げ、とりわけ海獣対策を含めて日本海の振興策を重点に強調。また、相手国の多角化と併せて高付加価値の輸出戦略に取り組む考えを示した。