明石水産株式会社の焼津漁具センター(静岡県焼津市、電話054・629・0111)はクロマグロの一本釣りなどで使う資材の販売で全国から注文を得ている。漁業資材の開発・卸売を手掛ける株式会社下田漁具のグループ。漁業者の要望をくみ取りながら他社にまねできない魚種・漁法に特化した商品を品ぞろえ。明石水産副社長で同センター店長の宇都宮綱基さんにマグロや底魚の釣漁の漁具について聞いた。
農林水産省は5月31日、2023年の漁業・養殖業生産統計を公表した。総生産量は前年比4.9%減の372万4300トンで、現行の統計を開始した1951年以降、3年連続で過去最低を更新、2年連続で400万トンを割った。魚種別では、マイワシやサンマの漁獲は増加したが、スルメイカとスケソは過去最低を更新した。
イオン株式会社は、プライベートブランド「トップバリュ」の発売から今年で50周年を迎え、“次の50年”に向けた取り組みとして、アレルギー対応や環境配慮、フードロス削減に貢献する商品を強化、拡充していく。人と地球との調和を目指したブランドビジョンを掲げているもので、水産関連では、獲れた魚を無駄にしない、低利用魚を手軽に味わえるといった商品を6月に投入する。低利用魚を活用した「トップバリュ もったいないお魚シリーズ」の第3弾として「黒鯛ステーキ」(2品)を「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など約450店舗で12日発売する。今回活用するクロダイは瀬戸内海で養殖しているカキやノリを収穫前に食べてしまうことが問題視されていたが、調理に手間がかかるため、これまで有効活用されずに海に戻してしまうこともあった。岡山県寄島漁協の協力で、商品化につなげた。
斜里第一漁協の定置業者・有限会社豊慶漁業部(佐藤唯行代表)は自船「豊慶丸」で漁獲したサクラマス、ホッケなどの価値向上を目指し、菌の増殖抑制など日持ち効果を得られる「胃洗浄」の新たな鮮度保持技術の実施に取り組んでいる。「船上活じめ」など徹底した血抜き処理で仕立てる一夜干しの高品質化と併せて前浜資源の知名度向上や魚食普及を図っていく。
紋別漁協の底建網でホッケ、マダラが好漁している。多い船は日量10トン前後の水揚げ。漁場間で魚種ごとに数量差はあるものの大半が好調だ。ホッケはローソクが少なく良型主体。一方、浜値はホッケがキロ100円台後半と前年同期より約2割高の半面、マダラは100円前後で2~3割の安値に振れている。
寿都町漁協のコウナゴ漁は4月26日に解禁し、5月29日現在の漁獲量は同漁協全体で561キロ、金額は163万円(税抜き)。依然として厳しい漁模様が続いている。
えさん漁協尻岸内地区の養殖コンブは、5月25日にミツイシの収穫が始まり、生産作業が本格化している。昨年の採苗と種付けする時期が遅れたものの、大きな影響なく生育。実入りも順調に進み、着業者は今後のさらなる成長に期待を寄せている。
函館市漁協の函館サーモン養殖部会が手掛けるトラウトサーモンの水揚げが5月末に始まった。1尾当たりの平均重量は3キロ強、大きい個体で約5キロに達するなど順調に成長。生残率も約80%と高く7月上旬まで週1回のペースで水揚げ、昨年の倍となる約9千尾の生産を見込んでいる。同部会の松川雅樹さんは「イカの不漁が続く中、函館地域の新たなブランドとして根付かせたい」と力を込める。
オホーツク海沿岸の本操業は、北部に続き南部(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)でも始まった。常呂は日産420トン、紋別、湧別は290~280トンの水揚げ。
株式会社ニッスイ(東京都港区、浜田晋吾社長)と広田湾漁協(岩手県陸前高田市、砂田光保組合長)が広田湾内などで試験養殖するギンザケが5日、初水揚げされた。今季はいけす2基で150~200トンの活じめ出荷を計画。刺身やすしたねに加工し、高まる生食需要に対応する。環境に配慮した持続可能な生産体制を確立し、2025年秋ごろの事業化を目指す。