昨年12月下旬に閣議決定された国の水産関連予算案は、2026年度当初予算が1876億円(前年度1859億円)、25年度補正予算1398億円を合わせ3274億円となった。前年度と比べて91億円の増額で、補正・当初を合わせた総額は8年連続で3千億円台を確保した。海洋環境の激変に負けない強い漁業と豊かで魅力ある浜づくりの実現を図る。今回の予算案では、環境激変に適応するための大胆な変革の推進、未来の水産業を担う経営体・人の確保、豊かで魅力ある浜づくり、増大するリスクも踏まえた水産業の成長産業化の実現-を重点に構成する。
全さんまが6日に発表した昨年(2025年)の全国のサンマ水揚量は前年比67%増の6万4737トンと3年連続の増産。国・地域別で台湾の漁獲可能量(6万2261トン)を上回り、13年ぶりに世界1位となる見通し。良型の組成でキロ平均単価も29%安の332円と堅調で、金額は19%増の214億6447万8千円と伸びた。
Beyond Tsukiji Holdings株式会社(加賀美明日香社長)と鮨尚充合同会社は5日、豊洲市場の初競りで北海道産ムラサキウニ1箱を3500万円(税抜き)で共同落札した。昨年の「一番ウニ」の700万円を大きく上回り、ウニの史上最高額を記録した。両社は25年11月に業務提携を締結しており、初競りへの共同参加は今回が初めて。業務提携では、ウニの相互購入・供給連携、メニュー・商品開発、養殖事業への参入、築地を「雲丹の聖地」とする文化発信などを展開している。落札したウニは色艶、粒の大きさ、甘み、うま味の全てで「最高峰の品質」と評価。初競り参加の意義について、加賀美社長は「初競りでウニの話題が盛り上がることで、日頃お世話になっているウニ業界に少しでも恩返しできれば」と話した。
南かやべ漁協木直地区で定置漁業を営む有限会社ヤマダイ尾上漁業部(尾上大輔代表)は秋サケやスルメイカといった主力魚種の水揚げ減少など海況の変化を受け、新たにトラウトサーモンの試験養殖に乗り出した。自社の定置漁場の一部を利用していけすを設置し、昨年11月に幼魚約4千尾を投入。定置の操業期間中は網起こしなど各作業と並行して給餌・管理。今夏の水揚げを予定している。。
胆振管内白老町(町長・大塩英男)のホッケ陸上養殖実証実験は、学生インターンの活動で取り組みを加速している。26年度の養殖ホッケ初出荷を見据え「生産体制」「収益性」「町内認知」の3つを問題提起し、町内のニーズ把握や関係構築を推進。町の担当者は「学生の力で将来ビジョンがより明確になった」と成果を実感している。
浜中町のNPO法人霧多布湿原ナショナルトラストは、豊洲市場など消費地で高い評価を獲得しているブランド「浜中養殖うに」の魅力を伝える「冬のウニツアー」を実施している。ウニの殻むきを体験、丼にして味わえるほか、ウニ種苗生産センターや加工場も見学できる「ウニ三昧」の内容で好評を博している。また、昨年はコンブ干し体験や花咲ガニを食べられるツアーも初開催、町で水揚げされる水産物に触れ理解を深めてもらう機会を創出した。
2025年の玉冷消流は、円安基調の為替相場を背景に欧米やアジア勢の堅調な買い付けが継続し、輸出主導の展開に拍車を掛けた。産地蔵前の製品相場は3Sがキロ7千円と過去最高値。オホーツク海の中心サイズとなった5Sでも6千円程度と前例のない水準に高騰した。しかし同年後半の輸出は米国の買い渋りも見られ軟調傾向に。26年の生産量も国内外で低水準と予想される中、中心サイズが小型となれば在庫がだぶつく可能性を指摘する関係者は多く、現状相場でのシーズン入りに警鐘を鳴らしている。
食品包装容器の製造・販売大手の中央化学株式会社は、新しい折箱の形として紙製のサステナブル容器SKS(Stackable Kraft Paper Sustainable Tray)を開発した。環境に配慮するとともに、プラスチックには出せない色合いや、従来の紙容器ではなかった重ね陳列の機能や嵌合性の高さを実現させた。すし用で始まった開発は、機能をさらに改良し、日本向けに適応した容器が完成。冷食市場にも順応し、ユーザーの支持を獲得している。
減産傾向が続く北海道のコンブ。2025年度の生産量は、異例の大減産に見舞われた24年度(8213トン)に比べると回復するものの、過去10カ年平均(15~24年度、1万2978トン)を下回る低水準となる見込み。北海道のコンブ生産量は19年度から4年連続で過去最低を更新。22年度は1万970トンまで落ち込んだ。23年度は1万2245トンと若干回復したものの、24年度は、前年夏以降の海水温上昇により太平洋側海域を中心にコンブの付着力が低下して流出し資源状況が悪化したことなどが影響し、初の1万トン割れに低迷した。
40年奉職した道信漁連を2024年3月に定年退職した市原宏行さん。通算22年の電算システム担当で各漁協と関わり、6年の広報誌「マリンバンク」担当では全道の浜を訪ね歩いた。第2の人生で「お世話になった漁協・漁業者の一助に」と、昨年からその浜との縁を紡ぐ事業に乗り出している。漁業者の身体をケアする「足圧」の出張施術やホタテを中心に「キッチンカー」による消費拡大。今年は活動地を広げるほか、漁協女性部とコラボした販売などの進展も構想している。