生産地と結び付きの強い農林水産物の名称を品質とともに登録する地理的表示(GI)や、地域ブランドの名称を商標権として登録する地域団体商標の申請・出願が北海道でも増えてきた。最近では西網走漁協がGIに「網走湖産しじみ貝」、枝幸漁協と枝幸水産加工協が地域団体商標に「枝幸ほたて」の登録を目指している。
北海道のカキは、身入りが良く生産量が増えたサロマ湖産のむき身に加え、安定した数量を出荷している道東の殻付きを中心に、道内の量販店や飲食店の引き合いは例年並みで推移している。1年むき身の出荷量は昨年より多く浜値は弱含みの傾向。昨年11~12月の最盛期にはキロ1000円割れとなったが12月後半には1000円台前半まで持ち直しており、着業者は今後の観光客需要などに期待を寄せている。
道総研函館水産試験場は、浜と連携しガゴメの促成養殖試験に取り組んでいる。2019年度は種苗センターを利用した成熟誘導(人工的に子のう斑を形成させる技術)と事業規模での採苗が可能となり、約8000メートル分の種苗を生産した。また、昨年夏の収穫ではえさん漁協日浦地区で品質的に良好な結果が得られるなど着実に前進。新たに戸井漁協の2地区も加わり、夏の収穫に向け養殖試験を進めている。
女性の力で浜に活気を―。道信漁連(深山和彦会長)が漁協女性部の部員増を後押ししている。本年度から2021年度まで女性部加入促進事業を推進。株式会社セコマとの連携で電子マネー機能付き道女性連会員証を発行したほか、各浜の加工品販売を札幌で実施するなどの施策を展開している。
オホーツク沿岸の水揚げが30万トンを超えた昨年は、主力の玉冷生産を中心におおむね順調に消化された。玉冷は内販、輸出とも道漁連が示す計画通りの需要が見込まれ、特に回転ずしは幅広いサイズを消費。輸出は中国、東南アジアが堅調で計画を上回る可能性もありそう。3月の期末在庫は「重くならない」と、関係者は口をそろえる。
北海道の秋サケは4万5000トンと、40年ぶりに5万トンを切る大不漁となった。魚価も一昨年の異常高騰の影響などで昨年比2%安と伸び悩んで金額は300億円割れ。定置や漁協の経営、増殖事業の運営を直撃し、資源動向の先行き不安が増している。一方、消流は生鮮主導となり、親子とも製品の生産量は低水準。売り場は輸入品主体の動きで、供給不安からさらに縮小が進む状況も懸念され、引き続き販路確保が大命題となる。
増毛漁協のエビこぎ網漁は、9日からナンバンエビ主体の水揚げが始まった。この日は4隻で300箱、高値はキロ1510円。同漁協市場では「本来の水揚量より少ないが序盤としてはまずまず」と話しており、着業者も今後の増産に期待している。
道南・本場折浜で促成の種付けが11月に終了した。今季はシケが多く、一部で種に雑海藻が絡むなど影響が出たものの、おおむね順調に推移。着業者は今後の生育に期待を寄せる。年明け以降順次間引きを開始、夏の収穫期に向け成長を促す。
野付漁協尾岱沼漁港に水揚げする根室管内5漁協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)の共同海区は、日産150トン前後の水揚げ。巽沖は従来組成より小型で、浜値は出足のキロ400円台から270円前後に下げている。
釧路3単協(釧路市、釧路市東部、昆布森)のシシャモは、昨年より8回少ない10回の操業で11月下旬に終漁した。数量は昨年比57%減の62トン、金額は40%減の9228万円(税込み)、キロ平均単価は39%高の1488円。釧路市漁協の担当者は「近年まれにみる凶漁」と話す。