東京都・豊洲市場のマイワシ消流は千葉県・銚子産が主力の展開となっている。昨年は北海道産と青森産が中心だったが、今年は安定供給に加え、数年ぶりに脂の乗りが良く、青魚の主役の座を獲得している。銚子産の組成は90~100グラム中心。入荷状況にもよるが、相場は良品の4キロ38~40尾がキロ800円。取り扱う仲卸業者は「近年は脂が薄い状況が続いたが、今夏は脂がある。北海道産の同サイズと比べて銚子産の方が安く、近場なだけに鮮度も高い」と評価している。
ザ・キャピトルホテル 東急(東京都千代田区)は7月29日、「食のキャピトル、サステナブル~未来へつなぐ一皿を~」と題したプレス懇親会を開催した。注力する持続可能な食材調達について、曽我部俊典総料理長らが取り組みを紹介。だしをとった後の昆布の活用やサステナブルシーフードの採用など未来を見据えた料理の提供などを示した。
漁済連は7月24日、東京都内で6月の通常総会で会長に就任した奈良満宗谷漁協組合長(道共済組合長)の新任会見を開いた。岩下巧専務理事ら役員も出席し、経営方針や抱負などを語った。漁業者のセーフティネットとして安定的に機能する制度を維持していくことが「組織の使命」と示した。奈良会長は自身が漁業者で、浜の思いが制度に反映されることを望んでいることを強調。「かつて、ホタテの大暴落や爆弾低気圧などの自然災害に直面した際、漁師として『ぎょさい』があって助かったという思いがある。直近ではコロナ禍など今までにない事態にも対応した」とし、共済制度の必要性を訴えた。
国内外ともに多くの販路を開拓したホタテ。特に玉冷は輸出主導の中、日米関税交渉が当初米国提示の25%から15%に妥結したことで、税率の縮小、確定による計画の立てやすさから、複数の商社筋は「商談が今後、活発化していく」との見方を示す。米国の末端消費を不安視する向きもあるが、当面は輸出主導の状態が続きそうだ。国内消費はさらに厳しい展開が予想される。
6月29日に日本産水産物の禁輸解除を発表した中国政府は、7月11日に3社の施設登録を認可、その1週間後には対象水産物を公開するなど、輸入再開に向けた手続きを矢継ぎ早に進めた。今後の冷凍両貝の引き合いが注目される。
明石水産株式会社の資材販売部門・焼津漁具センター(静岡県焼津市、電話054・629・0111)はマグロ一本釣り用疑似餌「マッカレルワン」の改良版「NEWマッカレルワン」を発売した。塗料の変更や新色の5色追加など従来品から3点を改良した。 クロマグロ漁獲枠が増えたことで新規漁業権取得者が増加。同社の新規購入者は前年比約2割増となった。年齢層は30代~50代が中心。地域別では日本海側からの注文が急増。富山県、島根県、北海道、秋田県からの引き合いが目立つ。
株式会社ニッスイは、2025年秋・冬の新商品49品、リニューアル品22品を9月1日(一部を除く)発売する。「お客さまに寄り添い、新しい“食”でお客さまの喜びに貢献します」をコンセプトに、「ココロを満たす(Pleasure)」「 作る楽しさ(Enjoy)」「カラダを整える(Healthy)」をテーマに商品を開発した。水産原料を活用した商品も豊富にラインアップしている。缶詰「さば水煮食塩不使用」は、かつてブームとなったサバ水煮缶詰市場は減少傾向にあるものの、食塩不使用缶詰は拡大していることに着目。食塩を使っていないため、料理素材に利用しやすく、同社でも煮物やトマト煮、カレーなどさまざまな味付けの料理への使用を推奨。調理の楽しさを感じてもらう。国産サバを使用し、EPAやDHAの豊富な含有量も訴求する。
全国女性連は14日、東京都で通常総会を開き、魚食普及活動支援の増額など2025年度の活動方針を決めた。任期満了に伴う役員改選では新会長に中津喜美子氏(山口県)を選任した。25年度の活動スローガンは「届けこどもに!続けみらいに!輝け浜のマーメイド」。同スローガンは24年度に全漁連と女性連が合同開催したグループリーダー研究集会とフレッシュミズプログラムで考案された。子どもたちにもっと魚を食べてもらい、魚食文化を次世代に伝えるとともに、浜の女性自身も輝いてもらいたいという願いを込めた。活動の基本方向は▽水産物の消費拡大活動▽浜の環境保全活動▽安全操業の推進▽自立した組織づくりと女性の参画の機会づくり▽全国共同活動推進への協力の5つ。特に水産物の消費拡大運動に力を入れる方針を示した。
株式会社シーフードレガシーは11日、東京都内で創立10周年記念パーティーを開催した。祝福に集まった多くの水産関係者が見守る中、これまでの軌跡を振り返るとともに今後の方針も発表。同社の掲げる2030年目標「サステナブルシーフードを水産流通の主流に」を参加者らと共有し、その実現に向けてさらなる協力を求めた。
苫小牧市に工場を構えるスモークサーモンメーカー・王子サーモン株式会社(東京都、安田敬秀社長)の子会社・王子サーモンロード株式会社(今井尚隆社長)は昨年10月から上川町で手掛ける養殖トラウトサーモン(ニジマス)「北海道大雪サーモン」の販売を本格化している。通年の出荷体制で回転ずしをはじめ、百貨店・量販店、鮮魚店など多岐にわたって需要先を獲得。今年度は初年度から倍増の70~80トンの水揚げを見込んでいる。