宮城県女川町の地方卸売市場竣工式が5月30日、同市場で挙行された。東日本大震災で被災した施設の新設復旧で、女川漁港に東、中央、西の各荷捌場と管理棟が4月までに完成。水産の町・女川の拠点となる魚市場の完全復旧でしかも高度衛生管理型となり、水揚げ増加、復興の弾みにと期待が膨らんだ。
東日本大震災以降、東北太平洋の魚類資源でマダラとヒラメが増え、イカナゴとズワイガニが減った-。こんな発表が8日、仙台市で行われた東北区水産研究所の研究成果報告会であった。漁船の操業、漁獲が大きく減少したことで魚類間の関係に変化が生じ、大型魚が増え、それに捕食され小型魚が減ったと考えられた。
甚大な被害から復旧・復興を急ぐ東日本大震災の被災地。その再起に向けた取り組みを支えようと、自社の強みを生かした商品を通して貢献する企業が全国各地にある。水産日本再生へ向け、関連業界全体を挙げた闘いが始まっている。
プラスチック総合メーカーのアコス工業(株)(東京、電話03・5820・2911)は、水産向けFRP製品の増産を計画。同社は、主に工業用品の製造で優れた技術力が評価されているが、震災という非常時に素早く反応し、水産関係品の製造を拡大させる意向だ。
食品加工分野では、加工機器製造・販売の(株)菱豊フリーズシステムズ(奈良市、電話0742・36・9056)が提案する「復興水産加工場」が注目されている。ユニットを連結して組み立てる仕組み。断熱パネルや空調機器、同社のプロトン凍結機など各種機器がセットされ、短期工事で即稼働が可能だ。自在な組み合わせにより、原魚搬入から加工、出荷までの機能的なスペースを確保できる。
倉庫や物流施設の設置では、川田工業(株)(本社・富山/東京、電話0120・664・106)のシステム建築が復興支援に名乗りを上げている。
津波の脅威から命を守る施設として注目を集めているのが、「タスカルタワー」。防災・環境設備開発施工のフジワラ産業(株)(大阪市、電話06・6586・3388)が提案する施設で、津波発生時に避難できるタワーだ。
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(2012年01月01日付)
肌を突き刺す冷たい風が吹く、師走の厚岸湖。先人達が築き上げてきた湖内漁業の歴史が津波によって一瞬で奪われた〝あの日〟から9カ月。太陽から降り注ぐ朝日は、雲に遮られることなく湖で働く漁師を照らしていた。アサリ漁場の復旧やカキの水揚げ。湖内は再生のステップを着実に歩んでいる。
「為せば成るとはこのことだ」。厚岸漁協の上野清司さん(75)は、砂で形作られた小島に立ち、前を向いた。
砂の小島は湖内に点在する。その数、526個。浜ではそれを「アサリ島」と呼ぶ。何十年もの間、各漁業者が島を整備。砂山の中に生息するようになったアサリを漁獲している。
上野さんの島の広さは他の島と同様900坪。手塩に掛けて築き上げてきた島は、アサリが豊富で、毎年の漁獲シーズンが待ち遠しかった。
しかし、大津波のあの日、自慢の島はたった1日で姿を変えた。砂が流出し、地盤が見えるほどに。島の3分の2がアサリもろとも流されていた。その光景を前に、上野さんは立ち尽くした。
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(2012年01月01日付)
歴史に深く刻まれる未曾有の年が明けた。漁船2万5千隻、荷捌き所や養殖施設など1700施設…。水産業に想像を絶する被害をもたらした東日本大震災。復興の道程はまだ長い。それでも北海道、三陸の浜は、生活のため、家族のため、そして水産業の未来のため、前を見つめる。「再起へ」。その言葉を胸に歩みを続ける被災地の今を追った。
三陸のワカメが「2年ぶりの春」を迎えようとしている。
被災地に雪が幾度か舞った昨年末、岩手県南部の綾里漁協では、種苗糸の巻き込みを終えていた。
「例年と同様の綾里ワカメを出せる。品質面でマイナス要因はない」
同漁協の佐々木靖男組合長は、今春の収穫に手応えを示す。例年の7割の生産をめざし、7割近い養殖施設を張り込んだ。
ワカメは養殖期間が短く、秋に種を巻き込めば、翌年の早春から水揚げできる。同様に施設が壊滅したカキやホタテなどより収穫期が早く訪れるため、養殖復興の先陣役として期待が掛かる。
3・11のあの日、岩手、宮城両県ではワカメの漁期入り間もなかった。例年より生育が遅れ、収穫を失った浜が多い。震災から1年が経つ今年の春は、被災地の養殖ワカメにとって2年ぶりの収穫期となる。
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東日本大震災で、三陸沿岸の漁船の多くが壊滅的被害を受けたが、岩手県の中・北部には「家が残り人も無事。あとは船さえあれば漁業を再開できる」という浜もある。宮古漁協は市場を再開し、重茂、久慈市などほとんどの漁協が「国は早期に支援策を」と求めている。
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(2011年04月18日付)
東京電力が福島第一原子力発電所から低濃度放射能汚染水を海に大量に放出、さらに高濃度汚染水まで漏れ出た問題で、全漁連の服部郁弘会長は6日、東電本店を訪れ、勝俣恒久会長に猛抗議。「すべての原発をすぐ止めてほしい。今後一切協力しない」と見解を述べた。汚染の直接被害とともに風評による流通停滞など間接被害も深刻化する中、補償範囲の拡大が求められる。
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(2011年04月11日付)
津波による岩手・宮城両県の漁船被害は、判明分だけで2万数千隻に上ることが分かった。造船所も多数被災しており代船建造も難航の見通し。八戸ではイカ釣中型船の9割が損壊し今漁期減産必至の情勢。東北秋サケ漁のメッカ、岩手県内のふ化場は、7割が被害を受けた。
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(2011年04月04日付)
東日本大震災で、北海道・東北太平洋沿岸の漁村は大きな傷を負った。
復興は容易でなく、道内の浜は「従来の枠を超えた支援が不可欠。他県と連携し国に求める」
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(2011年03月28日付)
東日本を襲った巨大津波は三陸の漁村を直撃、北海道太平洋側の漁村でも猛威を振るった。被害は未曽有の規模で、日本の水産業は危機的状況に陥った。
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(2011年03月21日付)