日本昆布協会(田村満則会長)はこのほど、全国の20~60代の既婚女性を対象に、だしと昆布についてアンケート調査を実施した。普段料理で使うだしは、かつお節が最も多く、次いで昆布とかつおの合わせだし、昆布と続いた。銘柄別では日高の浸透がうかがえる結果に。ただタイプ別は顆粒が全体の64%も占め、昆布などの素材系を大きく上回った。よく食べる昆布加工品はとろろ、塩昆布、つくだ煮の順だった。
「厚岸の名前と、その名産カキの存在は都心で着実に浸透してきている」。今年5年目を迎える「カキ酒場 北海道厚岸」(運営株式会社funfunction)の澁沢あきら店長はそう力を込める。オープン間もない頃から店とともに歩み、ずっと経緯を見守ってきた。常連は新たな人を連れ、その人はさらに別の人を連れてくる。客がつなぐ連鎖で厚岸カキのファンが確実に増えていっている。
広尾漁協青年部(辻田基樹部長)は未利用資源のスナエビ(アムールジャコエビ)の活用に乗り出した。スナエビはエビ特有の濃厚な風味が特長。商品化第1弾で帯広市のパン製造販売・㈱満寿屋商店と開発したピザやパンなどを1月末に帯広市内2店舗で販売を始める。
青森県の青森地方水産業改良普及所は三厩、竜飛今別の両漁協で水揚げされる本マグロ(クロマグロ)の脂乗りを測定している。同県の代表ブランド大間産の価格に近づける狙いだ。年末までに394尾が東京・築地市場などに送られ「目利きの評価と合っている。十分使えそうだ」と手応え。素脂肪率という科学的データをアピールしての出荷を視野に入れる。
えりも町の株式会社マルデン(傳法貴司社長)は、日高のブランド秋サケ「銀聖」を使った定塩生食フィレーを開発した。オリーブオイルに漬け込みうま味を凝縮。輸入養殖物が台頭する洋食需要にも対応した新商品で、北海道産秋サケの新たな市場開拓を目指す。4月ごろ発売予定。16日に札幌市のホテルオークラ札幌で発表会を開き、取引先などにお披露目した。
延縄や一本釣りなどに掛かり厄介者扱いされることが多いアブラツノザメ。刺網で専門に獲る漁業者もいるが、その数はごくわずかだ。こうした中、函館市の鮮魚卸・販売店、有限会社坂井商店(坂井雄二社長、電話0138・47・3009)は神経じめによって付加価値を高め需要を開拓、道内外の料理店などから高評価を受けている。
神奈川県三浦半島の食の魅力を伝える「猿島海畑活性化研究会」による猿島ワカメの新芽収穫と販売が、10日に始まった。
猿島は、同県横須賀市にある無人島。東京湾最大の自然島で、島の大半を猿島公園として、市が整備している。
活じめなど鮮魚の差別化出荷が全道各地に広がる中、産地や魚種などの拡大と併せて、販促物のタグやステッカーも多種多様なデザインが登場。生産者や産地仲買が買い手の目を引くように絵柄や形状など工夫を凝らしている。
例えば形状では長方形、円形、ひし型が中心だが船、地形を模した形状もある。多数のタグ付きの鮮魚が並ぶ札幌市中央卸売市場の売り場を見流しても目を引く。
函館市の水産加工・販売、㈱山大(小林繁孝社長、電話0138・48・0231)は、秋サケの山漬・かまくら熟成など企業ブランドの確立に向けて打ち出した商品群の売り込みを本格化している。函館空港に専用売り場を設置。併せて商品を素材にメニューの開発・提案で食シーンを訴求し、浸透を進めていく。
同社は、デザインの力で加工食品の魅力を高める函館市の「ビジュアルコミュニケーション導入支援事業」に参画。社内外の聞き取り調査も実施し企業イメージの現状把握から「愛される企業・商品づくり」「らしさの創造」などを目標に「新・山大ブランド」を生み出した。
道南産原料の活用や、化学調味料を極力使用しない手作りの味、昔ながらの製法などが統一コンセプト。パッケージやカタログも象形文字のロゴ、魚を入れる竹かごをイメージした網目の文様をデザインし、視覚の商品力も追求している。
築地場外市場にある(有)昭和食品は秋サケやトキ、ベニなどを中心に扱う天然サケ専門店。対面販売の利点を生かし、消費者にサケの魅力を直接説明。同社3代目、「しゃけこ」の相性で親しまれる佐藤友美子社長は「おいしいサケをまた食べたい。一人でも多くの方にそう思ってもらうことが私の仕事」と話す。昆布やつくだ煮店など場外市場他業者との「コラボレシピ」も提案している。
看板商品はトキサケで「九州方面など南の方々にも人気が高い」という。道産のほか岩手県大槌の「南部鼻曲がり」、新潟県村上の「塩引鮭」など全国各地の良質なサケを厳選して販売する。
今年新たに加わったのが猿払村産秋サケの山漬け。漁業者から直接電話を受けた佐藤社長が現地に飛び、乗船して生産現場を視察、取扱いを決めた。佐藤社長が目利きする良質な魚を求め一般客のほかプロの料理人も足を運ぶ。