沙留漁協でコンブ漁を営む竹内漁業部(竹内清代表)はとろろ昆布やだし昆布を商品化し、興部町にある道の駅「おこっぺ」などで販売している。品質の高さから支持を集め、リピーターを獲得している。2016年1月に販売を始めたとろろ昆布の原料は「風味が増すようにするため、天日干しにしている」と竹内代表。とろろの商品名は「幸(さっ)ちゃんとろろ」。陸回作業に従事する竹内代表の母幸子さんの名にちなんだ。同年に売り出しただし昆布は「幸ちゃん昆布」。道の駅やオホーツク紋別空港で販売。道内外で行われる物産展でも好評を博し、沙留産利尻昆布の存在感を高めている。
春漁を迎えた北海道産タコの製品相場が不透明感を抱えている。新型コロナウイルス感染拡大で消費動向に加え、アフリカ産の水揚げや欧州勢の買い付け動向など不確定要素が存在。加工流通筋は需給構造の先行きが読めず手探り状態。一昨年の高騰に比べ落ち着いた相場で推移してきたが、アフリカ夏漁の動向次第では道産タコの引き合いが強まるとの見方も出ている。
道経済部は23日、新型コロナウイルス感染症の影響で緊急的に人材を必要としている企業などの求人情報を提供する「北海道短期おしごと情報サイト」を開設。活用を呼び掛けている。問い合わせ先は道経済部産業人材課人材確保支援係(電話011・251・3896)。また、札幌商工会議所も21日にホームページ内に同様のサイト「新型コロナ雇用対策掲示版 ジョブボード北海道」を開設。掲載無料。情報の掲載を希望する道内企業や農漁業者らを募っている。問い合わせ先は札幌商工会議所人材確保・活用課(電話011・231・1772)。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が水産業界にも及ぶ中、宮城県内の若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、本部・石巻市、阿部勝太代表)は、朝獲れの鮮魚を詰め合わせたセット商品のネット通販を開始した。石巻から直送される鮮度抜群の魚は下処理が施され、オンラインでさばき方を学べる特典付き。外出を控えて自宅で過ごす「巣ごもり消費」の需要を取り込み、魚食普及につなげたい考えだ。
プラスチック容器メーカーの中央化学(株)は冷凍商材に最適なトレーを開発・生産している。顧客の要望をヒアリングしながら設計。素材の特徴と消費者の利用を細かく分析しながら作り上げていく。近年は冷凍総菜の需要が伸びているのを受けて、一食分で食事が完結する麺や丼ものなどに使われる容器の開発に注力。汎用性の高さから水産物への応用が期待できる。
羅臼漁協のバフンウニたも採漁で今季、新たに7人が着業し、合計73人に増えた。同漁協によると、新規着業者を募ったのは16年ぶり。「高齢のため引退した漁家が多くなったことに加え、組合員の所得向上を目的に募集した」と話す。
沖縄県国頭村の国頭漁協は、商社や輸入業者、製氷会社など異業種連携による、定置網で水揚げした地場魚のシンガポールへの輸出に力を入れている。船上処理にシャーベットアイス(設備は高砂熱学工業(株)製)による急速冷却を利用した鮮魚出荷で、鮮度を維持したままの輸送が可能となった。それまで地元の沖縄本島でも評価が認められなかった魚の付加価値向上に成功。国頭産の海外展開拡大を目指している。
道総研釧路水試は今年度から棒受網漁やたも採り漁で漁獲されるマイワシの消流拡大に向け、漁獲から消費地までの高鮮度保持技術の開発に取り組む。鮮度保持のアイテムの一つにシャーベット氷の活用も検証。釧路市の水産加工機械メーカー・(株)ニッコーが開発した循環式シルクアイスシステム「海氷」を新規導入し、研究体制を整えた。
道南の各浜では、毎年春に促成の若葉を利用して早煮昆布などを生産している。えさん漁協所属「(株)美千丸漁業」(尻岸内地区、木津谷正揮代表)は、ボイル後に細切りに裁断、板状に乾燥させた刻み昆布をつくる。洗浄などで使う活水器や異物混入を防ぐ金属探知機を備えるほか、板状に成形する専用枠をステンレス製に切り替えるなど「食の安全安心」を意識、衛生面に配慮した製品作りを徹底する。1シーズンの製造枚数は近年15~16万枚と当初に比べて大幅に伸長。主力に据えるイカ釣りが資源低迷で苦戦を強いられる中、漁業経営の「もう一つの柱に」と力を注ぐ。
岩手県の宮古湾特産「花見かき」の水揚げが始まった。食べ応えと濃厚なうま味が特長の大粒殻付きカキで、殻が器になるよう見た目にもこだわった春限定の味覚。昨年10月の台風19号の影響が懸念されたが、今年も品質は上々。例年並みの9千個の出荷を目指す。