北斗市の珍味メーカー・ソネ食品株式会社(水山康平社長、電話0138・49・4662)は、函館・道南産のブリを使った商品展開に乗り出した。第一弾で薫製を4月に発売。主力のスルメイカの不振が続き、加工業界は原料不足が深刻。「他社も参入し、『いかのまち』に次ぐ『ぶりのまち』として盛り上げることができれば」と、その先導を切っている。
2016年8月、売りに出されていた稚内の水産加工場を取得し、北海道に進出した伯東商事株式会社(千葉県長生郡長生村)。始動して1年半ほどだが、工場は活カニの出荷でフル稼働の状態まで達しているという。堀井康晴社長は「豊富な資源もさることながら、現場指揮官が優秀。それに追従するスタッフもレベルが高い」と評価。「道北、そして北海道ではまだ可能性を秘めている。むしろ、これで満足してはいけない」と語り、いっそうの投資に出る構えを示している。
白老町虎杖浜のたらこ・めんたいこメーカー、有限会社蒲原水産(蒲原亮平社長、電話0144・87・2057)は昨年から新たに薫製加工に乗り出している。主力のたらこを皮切りに前浜産魚介類で商品開発。常温で持ち歩ける食品の提供で顧客の裾野を広げていく。
昆布製品製造卸の株式会社丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)は2月、ロンドンで現地のトップシェフらを対象としたうま味セミナーを初めて開いた。昆布だしやうま味を西洋の食文化に融和させることをポイントに、同行した日本人シェフがポタージュなど各種料理や昆布入りブイヨンを作り活用法を提案。同時に研究者がうま味の相乗効果などを解説し科学的根拠の面でもアプローチ。シェフらの反応も良く好評で、函館真昆布の海外での普及・需要拡大に向け手応えをつかんだ。
東京・築地市場の仲卸、幸樹水産株式会社はカニが専業。500を超える築地・仲卸にあってカニのみを扱う店は他にない。近年続いている毛ガニの浜値先行に猪又信幸社長は「顧客の動きははっきりと分かれている」と強調する。
北るもい漁協の苫前支所で刺網漁に着業する小笠原宏一さん(第十一宏恵丸=7.5トン)は、マガレイの船上活じめに挑戦している。えら切りの放血を試み4月中旬までに4、5回出荷。刺身で販売した地元飲食店からは「特産になり得る可能性を感じた」と高い評価を得ている。
北海道産の生食商材を中心に手掛ける札幌市の㈱丸二永光水産マルニ札幌清田食品(佐久間利紀社長、電話011・886・6363)は、海外市場への販売を拡大している。米国の日本料理店など外食向けのすし種・刺身商材の供給が皮切り。昨年末から新たにタイの複合企業が展開するスーパー向けにミズダコ生冷品の製造に乗り出している。
福井県は13日、今シーズンの「ふくいサーモン」の出荷を始めた。県がブランド化を進めている養殖トラウトサーモンで、年々生産量を拡大させている。将来的には県外流通も本格化させたい考え。
福島県いわき市の食の価値と流通を創る地域商社・いわきユナイト株式会社は、いわき発信の食品を紹介・販売する「いわきフードセレクション」をうすい百貨店(郡山市)で11日開始。いわき商工会議所の協力で、6月10日までの期間限定で展開する。売り場にはメーカー自らが立ち、試食販売をする機会も設け、消費者の声を聞きながら今後の商品開発に生かしていく。
昆布森漁協は毎年、コンブを通じて地域に貢献している。釧路町には、学校給食などで活用してもらう乾燥コンブ100キロを寄贈。また町内の小学生を浜に招き、施設見学やコンブ干し体験を行い地元漁業や水産業への関心を高めている。同漁協は「地元の産業や水産物を知り、食べてもらうため、継続して取り組んでいきたい」と話す。