進展する日本の鮮度・品質保持技術が海外へと活躍の場を広げている。特に国際協力機構(JICA)の途上国支援事業などで水産業振興を後押しするプロジェクトが進行。漁業者をはじめ水産業関係者の所得向上への貢献とともに、機器の販売などビジネス拡大につなげていく狙いもある。
えりも食品株式会社(山形弘社長、電話01466・2・2305)は、短時間で濃厚なだしがとれる新商品「すぐ出る アミノ昆布」を開発した。昆布表面に特殊な切れ目を入れる新技術を用い、日高昆布通常品と比べ3分の1の時間で同濃度、同じ時間ならうま味約2倍となるだしの抽出を実現。通常では抽出しにくいうま味成分も検出された。これらデータを前面に押し出したパッケージで訴求。山形社長は「今まで昆布に縁のなかった消費者や若い世代が昆布を使うきっかけになれば」と話す。
米穀卸大手の神明(神戸市)と、サバ料理専門店を運営する株式会社鯖や(大阪府豊中市)は2日、共同出資で飲食経営・販売事業を運営する新会社「株式会社SABAR PLUS」を設立した。既に業務提携し、新社名と同じ名の飲食店を展開していたが、分社化することで出店を加速させる。
釧路昆布普及協議会(山﨑貞夫会長)は2月下旬、沖縄のスーパーで販促活動を展開した。釧路管内の女性部長ら7人が株式会社サンエーの旗艦店「メインプレイス店」を訪れ、各種昆布製品を店頭販売するとともに試食も提供。食べ方なども伝えながら釧路産昆布をPRした。
米国の2018年水揚量は、2万7000~2万8000トン(ミート換算)と見込まれ、15年ほど前の約3万トンに次ぐ史上2番目の水揚げとなる見通し。大型サイズの割合は昨年より拡大。商社筋は「輸出が減り大半を国内で消化しなければならない」と話し、玉冷相場の下方修正に言及する。
【浜松】日本昆布協会(大西智明会長)は14日、静岡県のオークラアクトシティホテル浜松で3月例会を開いた。64人が出席。食育教室の開催やイベントへの出展、輸入昆布数量など2018年度事業計画を報告した。
「脱フロン」の動きが加速する。2020年に製造禁止となる特定フロン(HCFC)と同様に生産量・消費量を規制する物質に代替フロン(HFC)を追加する「オゾン層保護法」の改正案が6日に閣議決定され、19年からHFCの規制が始まる方向性が確定した。国は今後、特に規制が厳しくなる29年の削減義務(CO2換算で推計約2200万トン)の達成に向け、低GWP(地球温暖化係数)・自然冷媒への転換を一層促進していく。
水産庁によると、2016年に沿岸付近で摘発した密漁の件数は1531件で高価なアワビ、ナマコなど貝類の被害が半数以上を占めた。北海道や青森県では大規模なナマコ密漁団が摘発されたが、密漁は依然後を絶たないのが現状。漁業界では、国や自治体の補助を受け、「被害は莫大な金額に上る。有効な防止システムで組合員の負担軽減につなげたい」(全漁連)と対策に乗り出している。
道産食材の卸・加工・商品開発・コンサルティングなどを手掛ける札幌市の株式会社ソナトキアプロジェクト(佐藤直樹社長、電話011・788・9258)は、天塩町で水揚げされる水産物の消流拡大に取り組んでいる。地元の漁業者と連携し、昨年はホッケの山漬け=写真=を商品化。今年も市場に出回っていない新規軸の水産品を打ち出し、地域の活性化を後押ししていく構えだ。