留萌市の株式会社ヤマニ野口水産(小野寺正司社長、電話0164・42・1127)は、主力・珍味の商品展開で新ブランド「RUMOY」(留萌)を立ち上げた。ギフトにも照準を合わせ、風味や食感の中身に加え、斬新なパッケージ、高級感のあるデザインなど見栄えも重視。サケのとば、ジャーキーの5アイテムをそろえ、珍味・つまみの新たな需要層の獲得に取り組んでいる。
株式会社極洋は2024年秋の新商品として、市販用商品8品、業務用商品38品の合計46品を9月1日から順次発表する。外食では人手不足対応、家庭ではタイムパフォーマンスや本格的な食品を求められており、「かんたん・本格!こだわりプラス!」をテーマに商品を開発した。市販用では同社初となる「鍋つゆ」市場に参入する。
水産加工卸・販売を手掛ける根室市のマルナカイチ杉山水産株式会社(島孝治社長、電話0153・22・3463)は、根室産のホタテ、タコ、ホヤの3種で「酢味噌和え」を販売展開している。「酢みそは日本人に好まれる定番の味。また食べたいと思っていただける味を目指した」と島社長。3年前の発売以来、リピーターも獲得し、おかずや酒のつまみにも合う一品として好評を得ている。
東京都・豊洲市場の北海道産折詰めウニ(エゾバフン)消流は7月後半に入って相場が落ち着き始めた。シケ絡みで水揚げが振るわず、品薄状態に海の日の連休向けの需要が絡んで高値の展開だったが、連休明けに入荷量が増えたことで反転。仲卸業者は国産品を軸に手ごろな価格の輸入品もそろえて、顧客の予算に合わせた提案を進めている。
中国の禁輸措置でホタテの消費応援ムードが高まった昨年後半の量販各社は、売価を抑え売り場を拡大した結果、玉冷の売上高で1.5倍以上と「特需」に沸いた。しかし年明けから北米、東南アジアの輸出が増大。製品相場は高値に逆戻り、売価も上げ基調で消費が鈍化している。札幌の末端流通や首都圏の消費動向、今後の展開を探る。
玉冷の消流は、中国加工の停滞と円安基調を背景に、北米、東南アジア向けの輸出が依然強まっている。1~5月の輸出量が最も多い米国は前年同期比2.6倍。東南アジアも台湾はじめ各国で伸びている。特に北米中心のバルク優先となり、国内流通は鈍化傾向にある。
水産加工のマルサン松並商店株式会社(宮城県塩竈市、松並理恵社長、電話022・367・3003)は、塩竈や七ケ浜町で水揚げされた県産の未利用魚アカエイの漬け商品を開発した。「バター香草」と「金山寺みそ」の2種類。淡白でくせのない白身を生かした。豊富なコラーゲンも魅力といい、女性をメインターゲットに、県内の量販店などで売り出す計画だ。
飲食店向け生鮮品EC「魚ポチ」や鮮魚店「サカナバッカ」を運営する株式会社フーディソン(東京都)は今春、ベトナムで殻むき加工した道産ホタテを販促した。原料調達や海外輸送、現地加工のノウハウがある企業らと協業し、高品質な商品開発が実現。販売ルートが確立している同社が先導することで、継続的な取り組みとなる機会を創出している。
安全性に配慮した食品・食材を販売するオイシックス・ラ・大地株式会社は回転ずし大手の「スシロー」と初コラボでミールキットの販売を始めた。目利き食材を食べ切るプロジェクト(PJ)を立ち上げ、にぎりずしのたねにならない部位の新たな活用方法を見いだした。これまで未活用食材を多く“アップサイクル”してきた同社と、厳選された目利き力と食材を余すことなく使うスシローの思いが共鳴した。第1弾は「おおばちまぐろ(厳選めばち鮪など)」の加工時に発生する「わかれ身」という部位に注目、低温のオイルでじっくりうま味を余さず加熱する「コンフィ」にすることでコラボメニューを完成させた。
東京都中央卸売市場のホッキ消流は主産地・北海道産の入荷量がここ4年で増加傾向だ。コロナ渦前の2019年度を超えており、キロ平均単価も上昇を続けている。2番目に入荷量が多い青森県産は減少している中、キロ平均単価は北海道産同様に上昇。仲卸業者は「加熱・生食の両方できる通年商材。漁期中は安定した入荷と卸値で顧客に供給している。欠かせない存在」と強調する。